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連続リンチ、弁護側「少年の死刑回避を」 最高裁で弁論

2011年2月10日22時36分

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 大阪、愛知、岐阜の3府県で1994年秋、少年グループが計4人の若者を死亡させた連続リンチ殺傷事件の弁論が10日、最高裁第一小法廷(桜井龍子裁判長)で開かれた。殺人や強盗殺人の罪で死刑を求刑され、二審で全員死刑判決を受けた犯行時少年の3被告の弁護側が死刑の回避を求め、検察側は死刑を維持すべきだと主張した。

 最高裁が把握している限りでは、66年以降、同一事件で複数の少年(犯行時)の死刑が確定した例はない。互いに虚勢を張って、暴力が激しくなりがちな少年事件の特性や、立ち直る可能性を重視するか、身勝手なリンチの末に4人を死なせたという結果を重視するか、最高裁の判断が注目される。判決日は追って指定される。

 被告側は二審で殺人と認定された愛知県の事件について「傷害致死にとどまる」と主張。その上で、一、二審とも死刑だった愛知県一宮市生まれのA被告(35)=当時19=の弁護側は「遺族に謝罪の手紙を送るなど反省しており、立ち直りは可能だ」と述べた。

 一審は無期懲役だった大阪府松原市生まれのB被告(35)=同=の弁護側は「積極的に暴力にかかわっておらず、従属的だった。死刑を望まない遺族もおり、生きて償う努力をさせるべきだ」と主張。同じく一審は無期懲役だった大阪市西成区生まれのC被告(35)=同18=の弁護側は「果たした役割は従属的で、主犯とは言えない。心の底から反省、後悔しており、死刑は重すぎる」と訴えた。

 これに対し、検察側は「被告はいずれも根深い犯罪性があり、結果の重大性や遺族の被害感情などを考えれば、少年だった事情を考慮しても死刑を回避できない」と反論した。

 2001年7月の一審・名古屋地裁判決はA被告だけを死刑とし、残る2人を無期懲役とした。一方、05年10月の二審・名古屋高裁判決は「4人の生命を奪った結果は重大で、3人の役割に差はない」として3人に死刑を言い渡した。(延与光貞)

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