携帯電話の世界最大手、フィンランドのノキアが、スマートフォン(高機能携帯電話)の開発で独自の仕様を諦め、米マイクロソフトの基本ソフトを使うことを決めた。米アップルなどの追い上げに対抗するためだが、ノキアの決断は独自路線を行く日本企業にも影響を与える。
ノキアは世界で年間4億台の端末を販売し4割近いシェアを握っていたが、アップルの参入で急速にシェアを落とした。指でなぞって操作する端末に押され、キーボード式のノキア製品が人気を失ったためだ。
マイクロソフトもペン先で入力する技術を供給してきたが、米グーグルがアップルと同じ入力方式の「アンドロイド」を提供し、シェアを落とした。ノキアとの提携は、アップルやグーグルに対抗する新しい基本ソフトを広める狙いだ。
ノキアはすでに米インテルとも新しい基本ソフトを開発しており、今回の提携は軌道修正となる。スマートフォンは端末だけでなく、様々な応用ソフトの提供が重要で、ノキアはソフトに強いマイクロソフトとの提携を優先したともいえる。
最大手のノキアがマイクロソフトと組んだことで、スマートフォンはアップル、グーグル、マイクロソフトの米3社が技術を主導する流れができた。日本メーカーはみなアンドロイドを採用しているが、今後どの基本ソフトを主力に開発を進めるか、あらためて戦略が問われる。
注目されるのは韓国勢の動きだ。サムスン電子はアンドロイド端末を世界で昨年1000万台以上売り、出遅れたLG電子もスマートフォンに力を入れる。今週スペインで開かれた携帯見本市で、日本企業は海外向けの新製品を発表できなかった。
携帯の情報サービスでは日本が世界に先行したが、端末では独自仕様にこだわるあまり、閉鎖的な市場をつくってしまった。スマートフォン市場の拡大は、日本の技術を世界に広めるチャンスでもあるはずだ。基本ソフトは外部に依存しても、その上で動く応用ソフトや付加機能で主導権をとれる可能性はある。
世界最大手のノキアですら技術革新に伴い戦略を転換した今、日本の端末メーカーは世界の利用者をにらんだ商品戦略を打ち出すべきだ。
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