JR西日本広島支社の杉木孝行支社長は16日の記者会見で、2003年に廃止したJR可部線の可部―旧河戸駅間(広島市安佐北区)の電化による復活について、「11年度の早い段階で広島市と合意するのが望ましい」との考えを強調した。
広島市は、現在の終点である可部駅から旧河戸駅地区までの約2キロの電化延伸に11年度着工する方針を固めている。杉木支社長は「乗り越えなければいけない課題は多いが地元や市の要望は強い。しっかり検討したい」と述べ、市や関係機関との調整に前向きに取り組む姿勢を示した。
その上で事業費について、広島市が国の補助金を受けて大半を負担し、JRは維持管理費などを負担する方向で協議を進めていることを明らかにした。
杉木支社長は課題として、鉄道事業法ではいったん廃止された路線の復活は「新設」扱いになり、「原則として踏切を設けることはできない」と指摘。「立体交差させる場合は事業費が膨らむ」として、整備手法について市や国土交通省などとさらに調整を進める考えを示した。
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