日本が新幹線技術を売り込んでいた、アメリカ・フロリダ州での高速鉄道計画について、フロリダのスコット知事は、16日、鉄道の建設計画そのものを、事実上白紙にすることを明らかにしました。
アメリカ・オバマ政権は、全米で大規模な高速鉄道網の整備を計画しており、日本やヨーロッパ勢、それに中国などが激しい受注競争を繰り広げています。こうしたなか、フロリダ州の高速鉄道計画については、JR東海が新幹線技術を売り込んでいて、日本からも前原外務大臣が、先月現地を訪れ、スコット知事と会談して、直接採用を働きかけたばかりでした。スコット知事は、16日、記者会見し「高速鉄道の建設よりも優先すべきインフラ整備がある」などと述べて、高速鉄道の整備にかかる連邦予算の受け入れを断る考えを表明し、計画そのものが事実上、白紙となりました。スコット知事は野党・共和党出身で、去年11月に就任して以来、オバマ政権が進める高速鉄道の建設は、費用に対する効果があるか疑問だとして、計画を再検討する意向を示していました。スコット知事の会見を受けて、ラフード運輸長官は「知事の判断に極めて失望している。高速鉄道の建設は地域の雇用を生み出し、地元にも大きな恩恵をもたらすことが期待されていただけに残念だ」というコメントを発表しました。