アフリカ大陸南東部に位置するマラウイ共和国で「オナラ禁止令」が成立する見通しであることが分かった。海外メディアが7日までに報じた。法案が通過すれば、公共の場所でのオナラが「軽犯罪」に問われるという。同国ではこれまで、男性の長髪や女性のズボン着用を罰則付きで禁止していた。
出物腫れ物所嫌わず−ということわざがある日本では、ちょっと考えられない“珍法”が、可決寸前になっている。
複数の海外メディアによると、マラウイ共和国のジョージ・チャポンダ法相が7日までにラジオ番組で明かした。
「政府は社会の秩序を保つ権利がある。だから、この法律を施行する権限がある」「公共の場でオナラをする人を見たいか?」など国民の良識を問いかけ、人間の本能である「排泄(はいせつ)行為」と同様、「オナラを出すことの制御は可能だ」と言い放った。
そして、「オナラがしたくなったら公共の場所でせずにトイレへ行くべき。どこでもするのは迷惑なこと」とマナーの重要性を説いた。
なぜ、こんな法律が作られるのか? その理由について、同法相は「複数政党制で自由があるため、人々はどこでも自由にオナラをしたがる」と、16年前に導入した複数党制で民主主義に慣れた国民が“羞恥心”を失ったため、とした。
同国は1964年に英国から独立。その後、1党制政治だったが、93年に国民投票を行い複数政党制となり、94年に独立後初めて大統領・議会選挙を行った。現在のビング・ワ・ムタリカ大統領の側近的存在がチャポンダ法相という。
同法相が所属する与党・民主進歩党は、2009年の選挙で193議席中114議席を獲得。議会が1929年に導入された刑法の、「オナラ禁止」を盛り込んだ修正法案を賛成多数で可決する可能性は極めて高い。
可決すれば、同国の公共の場所で放尿をしたとき同様、軽犯罪として扱われるという。しかし、音と臭いだけのオナラだから、“実行犯”を特定できなかったら、法律が有名無実化されて「屁のように消える」?