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仙台厚生病院:連携先に東北福祉大 医学部新設構想、政府容認待ち準備へ /宮城

 医学部新設を目指す仙台市青葉区の仙台厚生病院(383床)は15日、東北福祉大を連携先とすることを正式決定したと発表した。大学側も同日、「前向きに取り組んでいきたい」(渡辺信英学長補佐)とコメントした。大学が3月2、3の両日に開く理事会で今回の決定の受け入れを正式に承認すれば、両者による医学部新設構想の具体的な準備が始まる。ただ、文部科学省は医学部新設を認めておらず、実現には政府の方針転換が必要となる。【比嘉洋】

 仙台厚生病院は、書面の回覧による理事会で東北福祉大との連携を賛成多数で承認。同大が(1)看護師養成課程を持っている(2)既に大学付属病院「せんだんホスピタル」(144床)を保有している(3)健康や福祉関連の学部を設置し、医療系の教授や講師が20人を超えている--との理由で、「連携先に最もふさわしい」と判断した。

 医療系スタッフが豊富で、入学後2年間の教養課程を教える即戦力が充実していることから、早ければ13年度に新設できる点も大きなメリットになった。

 文科省は新設を認めていないため、認可に必要な病床数の基準は現時点で不明だが、仙台厚生病院は「既存の大学病院の病床数が600床以上だから少なくとも同数以上は確保したい」としている。

 せんだんホスピタルと合わせた病床数は527床。両病院には、脳外科や産婦人科、小児科など医師養成に必要な診療科がそろっていないため、県内外の民間や自治体の病院とも連携することでさらに300床を追加し、診療科も倍増させる考えだ。

 文科省は1979年の琉球大の認可を最後に新設を認めていないが、医師不足解消に向け、10年12月に専門家会議を設立し容認の検討を始めている。東北福祉大が3月の理事会で連携を承認した場合、病院側と大学側はそれぞれ「準備室」や有識者らで構成する「諮問委員会」の設置に取りかかり、政府が容認に方針転換した場合に備える。

 ただ、新設には「教員確保のため勤務医が減り、医療崩壊を助長する」(全国医学部長病院長会議)と慎重な意見もあり、専門家会議の議論の行方は不透明だ。仙台厚生病院の目黒泰一郎理事長は「医療の進歩とともに、一人一人の医師が扱う専門領域は狭くなるため将来的にも医師不足は続く。解消のためには医師の絶対数を増やさないといけない」と理解を求めた。

毎日新聞 2011年2月16日 地方版

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