2011年2月17日4時20分
税務署に示す現金が必要と偽り、現金400万円をだまし取ったとして、警視庁は16日、横浜市西区高島2丁目、台湾人の会社役員呉駿容疑者(28)ら振り込め詐欺グループの男3人を詐欺容疑で逮捕し、発表した。同様の手口による被害は約3億8千万円にのぼるといい、警視庁は多くにこのグループがかかわった疑いが強いとみて調べている。
捜査2課によると、呉容疑者らは2010年10月5日、東京都北区の無職男性(82)においを装って電話をかけ、「会社で経理の不始末があった。税務署に400万円見せれば解決する」と偽り、現金を用意するように依頼。翌6日、税務署職員を装って男性宅を訪れ、現金400万円をだまし取った疑いがある。呉容疑者は容疑を否認しているという。
呉容疑者ら3人はだまし役だったとみられる。捜査2課はこれまでに、現金受け取り役の男12人を逮捕。受け取り役は「指定暴力団稲川会系組員から命じられた」と供述しているといい、同課は詐取金の一部が暴力団に流れた疑いがあるとみている。
昨年6月には東京都葛飾区と北区で、似た手口で高齢者宅を訪れた男がそれぞれ現金1千万円と2千万円をひったくる事件が発生。同課は、これらにもグループがかかわった可能性が高いとみている。