中国漁船:韓国警備艇に体当たり 50隻が違法操業

2010年12月18日 21時41分 更新:12月18日 22時55分

韓国中西部沖の黄海で韓国海洋警察庁の警備艇と衝突後転覆した中国漁船=2010年12月18日、AP
韓国中西部沖の黄海で韓国海洋警察庁の警備艇と衝突後転覆した中国漁船=2010年12月18日、AP

 【ソウル西脇真一】韓国海洋警察庁によると、18日午後1時ごろ(日本時間同)韓国中西部・於青島(オチョンド)の北西約130キロの黄海で、同庁の警備艇が違法操業中の中国漁船(63トン)を取り締まろうとしたところ、漁船が警備艇に体当たりし、はずみで転覆、漁船乗組員1人が死亡し1人が行方不明になった。一方、鉄パイプなどによる乗組員の抵抗を受け、海洋警察官4人も骨折するなど負傷した。

 海洋警察は、韓国の排他的経済水域(EEZ)内の現場で中国漁船約50隻が違法操業しているのを発見。警備艇が急行し、検索のため1隻に乗り移ろうとしたところ、中国漁船の乗組員が、鉄パイプを振り回すなど猛烈に抵抗した。警備艇に体当たりした漁船は転覆、乗組員10人全員が海に投げ出されたという。

 海洋警察は行方不明者の捜索にあたる一方、事件の経緯を中国政府に通報した。韓国外交通商省高官は在ソウル中国大使館に電話で、乗組員が死亡したことに遺憾の意を伝えた。

 AP通信によると、この海域では毎年300隻以上の中国漁船が韓国側に拿捕(だほ)されている。08年には韓国海洋警察官1人が死亡、6人が負傷する事件も発生している。

 【ことば】中韓の排他的経済水域(EEZ)

 94年発効の国連海洋法条約は、自国沿岸から最大200カイリ(約370キロ)までの水域を定め、水産・鉱物資源の探査や開発の主権的権利を有すると規定している。だがEEZが重なり合う場合の境界画定は、当事国間で合意するよう求めた。黄海の場合、韓国は互いの沿岸からの「中間線」での画定を主張。中国は異議を唱えており、両国間に合意はない。

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