市営住宅、外国人規定見直しなし　福井市長、語学教室など推進

　福井市の市営住宅に外国人が入居する際、隣人とコミュニケーションがとれる日常会話ができない場合は申し込みを受け付けないと規定していることについて東村新一市長は１５日、記者会見で「現時点では見直す考えがない」と話した。ただ「日本語教室開催などの施策を推進し成果に応じて、今後検討を加えていきたい」との意向を示した。

　また市は調査で、バングラデシュと中国籍の１人ずつが、この規定のため市営住宅に入居できていなかったことも報告した。

　市は規定を設けた理由を「外国人全般を排斥するものではなく、外国人入居者が市営住宅のコミュニティーに参加することを念頭に置いた」と説明。求める日常会話とは「何とか隣人と意思疎通が図れる程度のもので足りる」としている。その上で今後の対策として、入居案内の多言語化や入居希望者の住環境の詳細な把握、日常会話程度の日本語を習得できる講座の開催などに努める方針を示した。

　この規定を巡っては、市民団体など４団体が市に撤廃などを求める申し入れを行った。市によると昨年末現在、市営住宅に居住する外国人世帯は７４世帯ある。