2010年12月17日 22時12分
高木義明文部科学相は17日、小学校1、2年の「35人学級」について、厳しい財政状況を考慮し、実施開始の来年度は1年生にだけ導入すると発表した。来年度予算編成に関する野田佳彦財務相との折衝で決着し、年明けの通常国会に学級編成の上限数を定めた義務標準法の改正法案を提出する。
文科省は初年度に、1、2年生のため6300人の教員を新規に増やす計画だったが、これを300人に抑え、既に少人数指導やいじめなど教育上配慮が必要な学校に特別に認められている教職員定数(加配定数)などを活用。合わせて4000人を手当てするとした。
35人学級を巡っては、民主党マニフェストの「少人数学級の推進」を受け、文科省が今年8月、来年度から1、2年生の1学級の編成基準の上限を40人から35人に引き下げ、15年度には小学校全学年を35人学級にする方針を打ち出していた。中学校は14年度から3年かけて実施、さらに17年度からは2年かけて小学1、2年を30人学級とする8年計画で、これに伴う教職員の純増数を計1万9400人、初年度は前年度比約90億円増の人件費を試算していた。
高木文科相は会見で「ぎりぎりの折衝だったが、35人学級の実現に踏み出せたことは非常に良かった。8年計画は変更せず、来年度以降、前倒しも検討してもらうことを(野田財務相に)申し入れた」と述べた。【篠原成行】