政治【産経抄】2月16日2011.2.16 02:49

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【産経抄】
2月16日

2011.2.16 02:49

 競馬の予想と天気予報は、信じるものではなく、参考にするものだとはわかっていても見事にはずしてくれた。いくら衛星で雲の動きがはっきりわかっても、観測機器が飛躍的に向上しても雨になるか雪になるかはお天道様の気分次第とは、なんだか愉快だ。

 ▼凍った道で滑ってケガをしたり、新幹線が遅れて家にたどりつけなかったりした方は気の毒だったが、雪は都会の塵(ちり)や喧噪(けんそう)を覆い隠してくれる。ことに雪降る夜の東京は、静かでぞくっとするほど美しく、ときには大事件も連れてくる。

 ▼75年前の2月26日、「尊皇討奸(とうかん)」を合言葉にした陸軍青年将校らは、蔵相・高橋是清らを殺害、首相官邸を占拠した。犬養毅首相らが暗殺された昭和7年の五・一五事件以降も辛うじて命脈を保っていた政党政治の息の根が止まった瞬間だった。

 ▼民主党の小沢一郎元代表は最近の講演で、「(二・二六事件は)国民の生活を守りきれなかった政治家と政治の責任だ」と珍しく正論を吐いている。確かに戦前の二大政党だった民政党と政友会は、政争に明け暮れ、足の引っ張り合いを続けた。

 ▼選挙ではカネが飛び交い、汚職が汚職を呼び、国民の心は政党から離れていった。今また二大政党から人心が離れようとしているのを肌で感じるからこそ、小沢氏は事件に触れたのだろう。

 ▼なのに、どうして、政治不信のタネをまいたのが自分だと認めようとしないのか。国会で疑惑を晴らそうとせず、ボスの命令に服するのが当然の「一兵卒」なのに、首相が面と向かって離党を求めても応じようとしない。どうやら彼は、新進党や自由党に続いて民主党もぶっ壊したいようだ。まあ、その方がお国のためかもしれないが。

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