2010年12月17日 11時20分
【欧州総局】米国務省が今年2月17日、欧州連合(EU)各国の米大使館に対し、EUの対中国武器禁輸措置の解除の動きを阻止するよう指示していたことが、内部告発サイト「ウィキリークス」が暴露した米公電で分かった。公電は、中国の民主活動家、劉暁波氏が6日前の2月11日に国家政権転覆扇動罪で11年の懲役刑が確定したことに言及。「中国政府はこの件も含め国際社会の人権への懸念を無視した」として禁輸解除をけん制するよう指示している。劉氏はその後、今年のノーベル平和賞を受賞した。
公電は、EU議長国だったスペインのモラティノス外相(当時)が禁輸解除を目指す方針を表明した直後、「米国として禁輸措置の解除には断固として反対との立場を繰り返し言うことが重要」と訓示した。
その中で、説得材料の一つとして、中国の人権問題を取り上げるよう指示した。この時期に中国に武器禁輸措置の解除を取ることは、人権問題に対する国際的な懸念を消し去ってしまうことになると理由を示している。