若者の失業問題は日本だけじゃない

2011年01月29日08時30分

The most worrying aspect of yesterday's unemployment figures was the rise of 32,000 in the number of 16- to 24-year-olds who are out of work. It takes the total to 951,000, or a rate of 20.3 per cent, the highest since these statistics were first recorded almost 20 years ago. This is not a uniquely British issue. Youth unemployment in France stands at 23 per cent, in Sweden at 25 per cent, in Spain at 38 per cent（テレグラフ紙より）

イギリスでは16-24歳の失業率は20.3％で20年来の高さ。フランスでは23％、スウェーデンでは25％、スペインでは38％となっている。

最近、いろいろほめられているスウェーデンでも若年層の失業率は高いし、日本よりも労働市場が柔軟だとされるイギリスでもその失業率は非常に高い。

そしてイギリスでもこのことは問題になっている。

日本では若年層の失業問題（あるいは内定率低下の問題）に対応するために、「正社員の解雇規制の緩和」がすべてを解決するかのように言っている人も多いが、それは大きな勘違いだろう。

もちろん、正社員の解雇規制の緩和は一定の効果を発揮するとは思うが、おそらく今の状況下ではたいした効果は発揮しない可能性は高い。

新卒一括採用禁止と言っている人もいるようだが、チャンスを増やし公平性を担保することにはなるかもしれないが、別に雇用を増やすことにつながるわけではないから、それも同様に特効薬にはならないだろう。

問題の本質は

①世界的な景気の大きな落ち込みである点は疑いがない。労働市場は景気の回復に遅行するから、今度は徐々に回復するだろう。しかし、おそらくそのペースは遅いだろう。労働市場自体の状況が改善しなければ、残念ながら、「スキルがない」若者達の状況が改善するのは当然、難しい。

②また、低スキルの仕事がどんどん海外に流出していく減少が日本に限らず世界中の先進国で起こっている構造的問題も忘れてはならないのはいつも述べているとおりだ。

という厳然たる事実であり、上記の2点は一政府のみで対応できる問題ではないことは明白である。（世界政府があったとしても対応できないだろうが・・・）

同時に就職市場というのはいつもいうように情報の非対称性が非常に激しい市場であるから、常になんらかの問題を抱えているし、その解決に成功した政府はいまだかつてない。（＝政府が出て行って何か規制をしてもうまくいかない可能性が高い）

もちろん、リーマンショックと就職時期がたまたま重なったのは人生においてはものすごい不幸だと思う。しかし、人生にはいろんな不幸がある。それ以外の不幸で苦しんでいる人たちだってたくさんいるわけだ。（ま、比べ物にならないかもしれないけど、僕の就活をしていた時期も厳しい時代だったし）

読んでいて気持ちのいいことではないだろうが、それが世界の現実だということを理解すべきだろう。

安易に「日本の就職市場」が変だから就職できないんだ！とか、日本経済が停滞しているから就職できないんだ！という的外れな批判を繰り返すのはやめたほうがいいだろう。問題の本質を見間違えて不平不満を言っても何のプラスにもならない。おかしな政治家が出てきておかしなことをやってますます状況をおかしくする可能性も高いからだ。おかしなことを言う評論家がメシのタネが増えて喜ぶだけかもしれない。笑

僕もこのネタはいつも同じような結論になってきたなあ・・・・。反省。

ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ

wasting time?

ロンドンに滞在、怠惰な生活を送りながら日本の政治・経済はもちろん、イギリス・欧州の政治・経済に関して思うところを情報発信。英語がぜんぜん上達しないのが悩みです。

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