5倍速い 4コア版 Tegra " Kal-El " 公開。8月にはタブレット、年内に携帯へ。
Tegra 2 採用製品が世界初のデュアルコア携帯として発売を控えるなか、NVIDIA が早くも4コア版の次世代 Tegra を公開しました。次期 Tegra の開発名は " Kal-El "。Tegra 2 から倍増した 4つのCPUコアに加え12コアの新GPUを備え、総合でTegra 2 の5倍のパフォーマンスを謳っています。つまり先月掲載したリーク資料そのまま。
NVIDIAのミーティングで披露された実機デモは 2560 x 1440 のフルHD超動画をリアルタイムデコードしてタブレットの1366 x 768解像度にダウンスケール表示しつつ、外部の2560 x 1600ディスプレイにも同時出力して滑らかに再生するもの。また3Dのリアルタイムシミュレーションゲーム Great Battles Medieval を使ったデモでは、720p 解像度で650体の兵士を同時にリアルタイムレンダリングする条件で、Tegra 2 の3倍から4倍のフレームレートを実現しています。CPUの処理速度を測るCoremarkのスコアではTegra 2の5840も大きく凌ぐのはもちろん、Core2Duo T7200 の10136をも超える11354。消費電力についても従来よりもさらに効率化し、「HD動画の連続再生で最大12時間」と表現されています。
" Kal-El " (おそらく Tegra 3) はすでにサンプル出荷を開始しており、搭載製品は年内にも登場する予定。具体的にはタブレット製品が8月、携帯電話向けでは年内 (ホリデーシーズン) のタイムフレームが明らかにされています。(現行の Tegra 2 でも、タブレット向けと携帯向けではTDPの違う別型番が使われている)。
NVIDIA の資料は下のギャラリーを、動画再生やTegra 2 との比較デモ動画は続きをごらんください。「デュアルコアがでるまでハイエンドを我慢していたのに!」と思った方は続きに掲載したロードマップをどうぞ。来年はさらに倍 ( Tegra 2 比 10倍) の " Wayne " が、2013年には50倍の " Logan "、2014年には100倍に迫る " Stark " が控えています。
(念のため、Kal-El はどこぞの空飛ぶ男の本名)
昨年のOptimus 2X 記事からしつこく蛇足を再掲:
デュアルコア携帯の話題で必ず聞かれる「でもバッテリーが保たないんでしょ?」について。NVIDIA はモバイルでデュアルコアがワットあたりの性能の向上させること、同じ負荷なら理論上 40%消費電力が下がることをわざわざ詳細なホワイトペーパーにまとめています。ひとことでいうと消費電力は電圧の二乗に比例するから。どうしてそうなるのか最初から全部説明しろ!という向きには 安藤壽茂 氏コラム『コンピュータアーキテクチャの話 第1回 なぜ、マルチコアで消費電力が減るのか?』をお薦めします。