“裏本の女王”渡瀬ミクが２４年ぶりに復活！

●渡瀬ミク

　８０年代初めのビニ本が世の男たちの股間をアツくした時代、よりハードな内容で人気だったのが裏本だ。しかし、残念ながらビニ本と比べてモデルの質がもうひとつだったが、この人は違った。裏本のレベルを超えたかわいさと生唾プロポーションで注目された渡瀬ミクさんだ。その後、ＡＶ女優としても売れた“裏本の女王”は８７年に引退。その後、消息はまったく聞かない。今どうしているのか。

「撮影をオーケーしたのは昔からの知り合いの編集者の人に熱心に誘われたっていうのが表向きの理由で、主人の収入が少なくて生活が苦しかったから、というのが正直なところですね。あちこちパートに行ってるんだけど、稼ぎなんてタカが知れてるじゃないですか。ある程度まとまったおカネをいただくのは、撮影が手っ取り早いと思って。でも、二十何年かぶりに現場の空気を吸って楽しかったですよ」

　新宿のあるホテルの喫茶室で会った渡瀬さん、こういってニッコリ笑った。現在発売中の雑誌「特選大報」（ジーオーティー）に〈伝説の裏本クィーン降臨　渡瀬ミク撮り下ろし！〉と題して、なまめかしい裸身をさらしているのだ。

「主人？　ワタシ、再婚で、今の主人は年下です。前も今もサラリーマン。ふたりともワタシが渡瀬ミクだと知らないことも共通してますね。前の主人との間に２０歳になる女の子がいて、たまに会ってます」

　渡瀬さんは８３年、「イブの囁き」で裏本デビュー。「マリア」「少女ケイト」と美少女系の容貌を裏切るハードな内容の裏本を立て続けに出し、圧倒的な支持を集めた。

「六本木でスカウトされました。その頃はホテトル嬢だったんですけど、ちょっとやってみようか、って軽い気持ちで引き受けたら、すごいことになっちゃった。自分的には１回しか撮影しなかったのに、違った本が何冊も出ましたから。ＡＶは１０本以上出て、最高、１本２００万円のギャラをいただいたこともあります。使い道はまず生活費、次に借金の支払い、余ったら貯金って感じでしたね。さあ、どうして借金があったのか。昔のことでよく覚えてません」

　８７年、写真集「ミク・ザ・サムシング」（英知出版）を最後に引退。しかし、惜しむ声は多く、０１年、宇宙企画の出演ＡＶの総集編ＤＶＤが発売された。

「最初から長く続く仕事じゃないと思ってました。それと業界にいるとフツーの生活を忘れそうで怖かったんです。引退してからは結婚、出産、離婚、再婚と平凡な女の道を歩んできました」

　都内のマンションに夫とふたり暮らし。

「また出るか、ですか？ウ〜ン、熟女がモテてるって話は聞いたことがあります。だけど、それは他人のことであって、今の段階では何ともお答えできません」

（日刊ゲンダイ2011年2月9日掲載）