グランパスの仕上がり具合は順調に見えた。キャンプ終盤で疲れがたまっていても、プレーの精度は落ちていなかった。ボール支配率を高めて試合の主導権を握る昨年のスタイルを継続するうえで、土台は固まっている印象を受けた。
新戦力の藤本は、違和感なくチームに溶け込んでいた。左足の高い技術を信頼して周囲の選手が動き出す場面が何度も見えた。もっと細かい部分で呼吸を合わせていけば、チームのレベルは上がるし、さらに藤本の良さが出てくると思う。
気になる点は、誰がボランチをやるかということ。ダニルソンが故障離脱して前半戦の出場は難しい。大分戦では、中村が入ったが、相手の攻撃を止められず、何度か押し込まれるシーンがあった。このポジションは、ボールを奪うというより、攻撃をつぶすという意識がほしい。常に自分たちのペースで試合を進めるためには相手の流れを断ち切る役割も重要になる。
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