小向容疑者をかくまっているかのようなイメージダウンはたまらない。「逃亡者の楽園」とまで伝えられる連日の「小向報道」に頭を痛めたのか、ついにフィリピンの入国管理局が動いた。
『小向容疑者から新たに滞在の再延長申請があった場合、捜査部門に通報せよ』
以上のような内部通達が、同局の責任者名でビザ担当部門へ15日までに出された。フィリピン警察や入国管理局によると、「日本側から捜査協力の要請はない」と話しており、フィリピン側が独自の判断を下したものとみられる。
入国管理局によると、小向容疑者は1月21日にマニラ空港からフィリピンに「査証免除(観光目的)」で入国した。最初の滞在期限は2月11日までだったが、同8日に延長を申請して即日認可。新たな期限は3月21日となっている。追加申請すれば2カ月ごとに延長が認められ、最長では来年5月まで滞在が可能だ。
しかし、通達が出されたことで、小向容疑者から次に滞在再延長の申請があっても、前回のように「即OK」というわけにはいきそうもない。今回の騒動により、入国管理局が小向容疑者を“指名手配”したも同然で、申請却下は極めて濃厚。その場合はフィリピンを追い出され、3月21日までの帰国を余儀なくされる。警視庁組織犯罪対策5課は、小向容疑者が帰国次第、即逮捕。厳しく取り調べる方針を固めている。
小向容疑者はマニラ首都圏マカティ市のホテルを2月10日にチェックアウト。同ホテル近くで翌日、コーヒーを手に男性と2人で歩いているところをテレビ朝日記者に取材されたのを最後に所在は不明のままだ。
日本の警察関係者は「外国に捜査協力を要請しても、身柄確保まではなかなか至らない。帰国させたところで逮捕するのが現実的」という見解。こちらも小向容疑者がフィリピンから“やっかい払い”されるのを待つスタンスのようだ。