政治【主張】民主・社民協議 延命の悪あがきに見える2011.2.16 02:56

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【主張】
民主・社民協議 延命の悪あがきに見える

2011.2.16 02:56

 民主党が来年度予算案をめぐる修正協議を社民党と始めたが、場当たり的な対応にあきれる。

 15日には予算関連法案の審議が衆院で始まった。最大の焦点は、38兆2千億円の赤字国債を発行するための特例公債法案である。

 野党側は反対する方針で、衆参ねじれの下で成立のメドはたっていない。不成立なら巨額の財源が滞り、予算は執行できずに政権は行き詰まる。

 何とかその事態は避けようとして、衆院の3分の2の勢力による再議決を視野に入れ、元の連立相手から協力を得ようとする一心なのだろうが、悪あがきとしかみえない。

 そもそも社民党は昨年5月、日米合意に基づく米軍普天間飛行場の辺野古移設案に反対して、連立政権を離脱した。今回も普天間飛行場の移設関連経費の削除を要求している。民主党も受け入れは困難としているが、まず基本政策の合意が前提だろう。

 菅直人政権の外交の基軸は日米同盟の維持だったはずだ。社民党要求を受け入れるなら、基本政策の根幹を放り出すことになる。

 普天間問題では、鳩山由紀夫前首相が沖縄地元紙のインタビューで、県外移設を断念した理由に米海兵隊の抑止力を挙げたことについて「方便だった」と発言した。相変わらずの無責任きわまりない前首相だが、その場しのぎの菅首相も胸を張ることはできまい。

 社民党は法人税5%引き下げの撤回も要求している。法人税減税は、企業の税負担軽減で国際競争力の強化や国内雇用の拡大などにつなげるねらいを込めて、菅首相が強く打ち出したものだ。

 自ら成長戦略の柱と位置付けたものを撤回できないだろう。消費税増税にも反対する社民党と連携して、税と社会保障の一体改革はどうするのか。

 社民党の衆院6議席があっても、民主307、国民新4、与党系無所属2と合わせて319という数字は衆院再議決の「3分の2ライン」とされる318をかろうじて上回るにすぎない。

 極めて不安定な数合わせを求めざるを得ないところに、政権の行き詰まりが見え隠れしている。

 首相は、マニフェスト見直しを9月に先送りする方針を撤回して直ちに見直しを決断し、野党第一党の自民党と正面から協議すべきである。

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