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Xperia PLAYの産みの親坂口氏に会場で直撃

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ソニー・エリクソンのカンファレンスの最後に、Xperia PLAYの産みの親、坂口立考氏のラウンドテーブルが実施された。一問一答で気になった回答をピックアップしてお届けする。

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 ソニー・エリクソンのカンファレンスの最後に、Xperia PLAYの産みの親、坂口立考氏のラウンドテーブルが実施された。一問一答で気になった回答をピックアップしてお届けする。

――まずアメリカでの発売になりますが、日本はどのくらい遅れて?

坂口 世界中のキャリアさんからの依頼が山積みなので、まだわかりません。

――アメリカでのキャリアがベライズンになりましたが、日本は?

坂口 あらゆるキャリアさんと順番にお話しています。

――決まっているのはベライズンだけになります?

坂口 決まっているのはたくさんありますが、最初に日にちが決まっているのはベライズンだけになります。

――通信方式はCDMAになりますよね?

坂口 WCDMA版もあります。

――日本のCDMAの可能性もありますか?

坂口 ありますね。

――PlayStation Storeは画面上にアプリとしてプリインされているイメージになりますか?

坂口 そうですね。まだ最終的につめないといけないんですが、Xperiaのランチャーに入るかもしれませんし、PlayStation Storeのランチャーを作るかもしれないし。僕だけでは決められないので、これからよく話し合いたいです。

――スマートフォンをゲーム寄りの仕様にするうえで、いちばん苦労した点はなんですか?

坂口 同じジンジャーブレッドベース(Android OS2.3)のスマートフォンと機能差がないように、たとえばゲームをプレイ中に電話が出るのが遅れるとか、基本機能に不自由がないように、というのがひとつ。あとは本体をスマートフォンサイズからいかに超えないようにするか。スライドにして、いろいろなキーをつけますし。耐久性を高めることも大事でした。本体サイズを大きくすれば比較的簡単にできるんでしょうが、かっこわるい端末になったら終わりだと。ゲーム機能を強化したからといって、コアな部分はスマートフォンなので、そこにいちばん時間をかけましたね。

――ゲームをプレイ中に電話がかかってくると、ゲームはオートセーブで中断されるんですか?

坂口 基本的にそうですね。

――ゲームはスタンドアローンのゲームが中心に? それともオンラインゲームが中止になるんでしょうか?

坂口 最初はいまあるゲームが、Xperia PLAYに対応されてリリースされるでしょうし、もちろん通信対戦などオンライン上でプレイするゲームもすぐに出てきます。もっと先に行くと新しいタイプのゲームが提供されるでしょうね。

――プレイステーションスイートは初代プレイステーションのタイトルが配信されるとのことでしたが、今回の映像を見る限りだとスマートフォンで人気の作品の映像も多かったように思えます。

坂口 そうですね。やっぱりスマートフォンのマーケットは大きいですし、早いですし、ジャンジャンでてきますよね。数的にはAndroid上で作るゲームがおのずと多くなります。電話のいろいろな機能を使ったオリジナルゲームもリリースされるでしょう。僕らが作れるわけではないので、ぜひ作ってください、という感じです。

――Android MarketとPlayStation Storeの位置づけは?

坂口 いい質問ですね。二刀流という感じです。ゲームはAndroid Marketでも買えますし、キャリアさんの独自マーケットでも買えますし、PlayStation Storeが立ち上がるころには、そこでも買えますし。ゲームの購入ルートはいくつかある、ということです。

――たとえばLRボタンを使うゲームはPlayStation Storeのみで配信されるなど、コンテンツによる違いはありますか?

坂口 あるかもしれませんね。これはどちらかというと平井さんに聞いていただけると(笑)。ただ、いろいろな形があるので、我々はいろいろな要求に応える形で、たとえばお客さんが使いやすいランチャーのようなユーザーインターフェースを用意しようと思います。

――Googleと協業するとありましたが、たとえばジンジャーブレッド(Android OS 2.3)では、ゲームコントローラーのAPIが増えていると思うんですが、そのあたりが協業の結果になるんですか?

坂口 そうですね。僕らがジンジャーブレッド(Android OS 2.3)で端末をリリースする、もっとも早いメーカーのひとつだと思うんですが、アンディー(・ルービン Android産みの親)と話して、我々のアイデアやテクノロジーを提供した形になりますね。

――ジンジャーブレッド(Android OS 2.3)のAPIが公開されていますが、たとえば個人でLRボタンなどコントローラーに対応したゲームをリリースすることはできますか?

坂口 できると思いますね。

――なぜこの時期にこの端末をリリースするに至ったのでしょう? もっと早くてもよかったのではと思います。

坂口 僕も久夛良木さん(当時:久夛良木健代表取締役社長兼グループCEO)と話して、何度もトライしてきました。言うのは簡単ですけど、いろいろな人がトライしてきて、できた人は誰もいませんよね。ハードルが非常に高いですから。エコシステムが違う業界をまとめ、世界中にキャリアさんがいて、数え切れないくらいの仕様があって、そこを打開するというのは至難の業。そのほかにもプロプライエタリの開発をやめて、シンビアンもやめて、何千人分のトランスメーションを行ってきた。時間はかかりましたが、いいタイミングにリリースできると思うし、これで終わりというわけじゃなくて、こういうチャンレンジをしてつぎのステップにいけると思う。ゲーム性のあるコミュニケーション、もしくはコミュニケーション性のあるゲームかわからないけれども、おもしろいゲームが誕生するのはこれからだと思います。

――いまだから本体をリリースできた、という部分をもう少し具体的に教えてください。

坂口 まずチップ性能の向上がありますよね。何年かまえでも同じようなものを作れたかもしれませんが、確実にでかかったでしょうし、確実にゲームをプレイしていたたら、電話ができなかったはず。Andoroidをはじめいろいろなものがオープンになったこと、あと大きいのがとくにWi-Fiという通信環境。いままであったテクノロジーが一段落したよ、というのが“いま”なんじゃないかと。

この(Xperia PLAYの)モニターだけにとらわれないで、初歩的なことだけれどもHDMIでXperia PLAYの映像をテレビに出力して遊んだりもできる(※のちにHDMIで出力できるようにすると明言)。ブロードバンド、マシンパワー、それに見合うOS、あとは本体サイズ。こういったいい材料が揃ったということだと思います。

――競合他社が同じようなゲーム機主体のスマートフォンを出したとして、ここは勝てるだろうなと思われる部分はどこですか?

坂口 それは操作性です。ソニーと何年もかけていっしょにやってきましたし、「苦節何年」というみたいでかっこ悪いんですけど(笑)。原理的には誰でもできますが、だけど蓄積してきたノウハウというものがあると思うんです。

――それはボタンを押したときの感触や、アナログパッドを触った反応とうことですか?

坂口 そうですね。もちろん、ほかの機種が同じくらい、もしくはそれ以上ということもあるかもしれませんが、いま現時点で発売して恥ずかしくないものを作りました。今日の発表会でもプレイステーション関係者がいっぱいいらっしゃいましたが、ちょっとでも不満があればうるさいわけですよね(笑)。そういうテストには合格しているので大丈夫なんじゃないかなと。

――競合端末が発売されるのはしょうがない、という意思で、ジンジャーブレッド開発に協力したのでしょうか? ゲームプラットフォームを広げるという意味で?

坂口 やっぱり携帯電話の業界で、そこで自分だけが、というのは存在しにくいですよね。必ずしも僕らの製品だけしかないことがいいことだと思いませんし。ほどよいリーダーシップと切磋琢磨が必要だと感じてます。

――メモリはどれくらいになりまか?

坂口 内臓メモリーとして8GB積んでいます。もちろんSDカードで拡張できるので大丈夫だと思います。

――NGPが発表されましたが、差別化は?

坂口 もちろんそういう質問は想定してましたけど、だけどこれはスマートフォンなので(笑)。まずいつでも持ち歩けますし、オープンな環境でできることがいろいろあります。一方のNGPは携帯電話ではないですし、ハイパフォーマンス、ハイグラフィックスで、新しいゲームが登場して、NGPのゲームもプレイしてみたいですが。

 でもふだんはXperia PLAYでいいかな、とか、いろいろなお客さんがいます。そうなると、ソニーグループのラインアップとしてゲーム機の位置づけは変わりますよね。しかもXperia PLAYは、値段はキャリアさん次第なので99ドルということもありえる。そうなるとカバーしている領域も違ってくる。我々にはソニーと携帯業界をつなぐ役割があって、入れ子というか、ユーザー層がほとんど違うことになるんじゃないか。NGPを触ってないのでどうも具体的には話せません(笑)。

――タブレット向けのハードウェアなどもでてきてますが、ゲームでもいかがでしょう?

坂口 いいですね〜。何かやりたいですけどね。そういった方向性もありますし、そもそもXperia PLAYのつぎをどうするの? ということもあります。ソニーとの協力体勢もありますし、僕らが自ら進んでやらないといけないこともある。今日帰ったらすぐ着手します(笑)。だけどやっぱり、携帯出身らしいコミュニケーションを重視したゲームを目指したいので、すごいパワフルなものをのっけても、結局本体が熱いな……とか、そういう意味で、お客さんを裏切るよりは、多少時間がかかっても“ユーザーエクスペリエンス”を裏切らないようにしたいですね。

――現在プレイステーション スイートに関しては初代プレイステーションのゲームが配信されることになっていますが、今後プレイステーション2、もしくはPSPのタイトルも配信されるのかが気になります。

坂口 プレイステーション3は難しいでしょうねえ。PS、PS2、PSP……平井さんに聞いてください(笑)。ただ、エクステンションは高くもってもらいたい。ある意味、僕も含めておじさんが回帰する機会もけっこう多いと思うので、なつかしのデジタルリマスターみたいな感じで最初は遊べると。

――ターゲットは大人になるんでしょうか? キャリア込みだと子供が買うのが難しいと思うんですが。

坂口 キャリアさんのプロモーション、値付けにもよるところが大きいでしょうね。携帯電話の性質上、値段は安くなりますしね。

――ゲームの値段はどのくらいになりそうですか?

坂口 レンジはある程度あると思います。

――Xperia PLAYのコンセプトとしては、プレイステーションのゲームを遊べる端末なのか、新しいゲーム感覚のコミュニケーションを楽しめる端末なのか。どちらかというと後者だと思うんですが、夢としてどんなコミュニケーションが生まれるといいと思いますか?

坂口 僕はクリエーターではないので「作ってください」しかいえないんです。が、ゲーム性のあるコミュニケーションというんでしょうか。少し言うのがはばかれますが、Wiiでアバター作って、それが振られたみたいな、ああいった携帯らしいゲーム性が多く出てほしいですね。そのためにローンチの準備はしっかり整えます。

 坂口氏の話を聞いて率直に感じたのが、(誤解を恐れず言うと)初代プレイステーションの配信はあくまでもXperia PLAYのスタートダッシュの起爆剤のひとつ。近い将来にはスマートフォンならではの、コミュニケーション要素が強いゲームの創造を本気で狙っているようだ。確かに、携帯ゲーム機は持たないが、スマートフォンならゲームをプレイする、という層は確実に拡大している。挑戦的なモデルとなるXperia PLAYがその市場でどこまで浸透していくのか? それには戦略的な価格と、プレイステーション サーティファイドがどれだけAndroid市場に受け入れられるかがカギ。ライバル機の登場も待ち望みたい。

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