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[地方]ニュース
【危険運転致死傷幇助】市民感覚生きた判決 裁判員は「悩んだ。考えた」
全国で初めての危険運転致死傷幇助(ほうじょ)罪の裁判員裁判が14日、さいたま地裁で判決を迎えた。裁判員と裁判官が導き出した結論は、2被告とも懲役2年の実刑だった。裁判員や被害者参加制度を利用した遺族など、多くの一般市民が参加した今回の公判。判決を終え、「同じ感覚を持った一般の人が参加してくれたからこその有罪判決」(遺族)、「裁判員ならではの常識的感覚を生かせた」(裁判員を務めた女性)と感想を語った。
事故で両親を亡くした小沢克則さん(34)、樹里さん(30)夫妻は、この公判で被害者参加制度を利用して意見陳述や被告人質問を行った。樹里さんは「有罪を告げる裁判長の言葉を聞いて、身震いがした。本当に長い間、堪え忍んできた。裁判員の方が市民感覚で裁いてくれたからこその有罪判決だと思う」と涙を見せた。
「疲れた。長かった。悩んだ。考えた」。判決を終え、補充裁判員を務めた内装業の男性(55)は、土日を除いて14日間という県内では最長の審理を終えた感想をこう表現した。
前例のない罪名での公判。しかも検察、弁護側双方の主張は真っ向から対立する困難な裁判となったが、裁判員を務めた60代の主婦は「一番に意識したのは事故の悲惨さ。遺族の言葉で悲惨さが伝わり、いつ自分が被害者になるか分からないと思った」と述べ、「一般市民と裁判官で考え方に違いがあった。裁判員の常識的判断が生かせ、裁判員制度でやってよかったと思う」と振り返った。
一方、公判で無罪を主張し続けてきた大島巧被告(48)と関口淳一被告(46)の弁護人は、判決後の記者会見で「飲酒運転はよくないし、憎む気持ちは同じ。だが、あやふやな証拠で有罪にはできない」と述べ、控訴する意向を示した。また、遺族側も量刑が軽いとして地検に控訴するよう申し入れている。
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