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熊谷の死傷事故:同乗2人に実刑 遺族が意義強調「同乗者も実刑、大きい」 /埼玉

 ◇同乗者に、危険運転ほう助判決

 熊谷市で08年2月に起きた飲酒運転による9人死傷事故。さいたま地裁は14日、事故車に同乗して同僚の飲酒運転を了解・黙認したとして、危険運転致死傷ほう助罪に問われた男2人に懲役2年(求刑・懲役8年)を言い渡した。

 事故では行田市の自営業、小沢義政さん(当時56歳)と妻雅江さん(同)が死亡。この日の会見に、長男克則さん(34)と妻樹里さん(30)、事故で重傷を負った双子の三男恵司さん、長女恵生(えみ)さん(ともに24歳)の4人が遺影を手に出席した。

 樹里さんは実刑判決について「ハンドルを握っていない同乗者も重い責任を問われた意味は大きい」と話し、「これで同乗者も(飲酒)運転者を止めなくてはいけないという環境をつくれる。頑張ってきた甲斐があったと思った」と語った。

 克則さんは「被告からは全く謝罪がない。いまだに罪の意識がないのだと思う」と憤りを語る一方、「同乗者が実刑になったことが世の中に伝わり、父母のような被害者が少しでも減ってほしい」と期待を込めた。

 遺族は、この事故を巡って3年にわたり、三つの裁判を闘ってきた。一つ目は、飲酒運転をした玉川清受刑者(35)=危険運転致死傷罪で懲役16年確定。二つ目は、玉川受刑者に酒を提供した飲食店経営の男(47)=道交法違反(酒類提供)の罪で懲役2年執行猶予5年確定。三つ目となる同乗者を巡る判決を受け、樹里さんは「一つの節目を迎えることができた」と話した。

 一方、裁判員らも記者会見。主婦、山本悦子さんは「本当にいつ私たちが被害者になるか分からないような事故だったので非常に怖いと思った」と話した。

 被告弁護人は、供述調書の証拠採用の経緯に問題があると指摘、「有罪判決は不当だ」と述べた。【飼手勇介、田口雅士、鷲頭彰子】

毎日新聞 2011年2月15日 地方版

 
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