大畠章宏国土交通相は13日、建設の是非を検証中の八ッ場ダム(群馬県長野原町)予定地を就任後初めて視察し、群馬県の大澤正明知事や高山欣也長野原町長らと会談した。ダム中止方針の棚上げを表明した馬淵澄夫前国交相の路線を踏襲し、地元と対話を進める考えを伝えたが、高山町長は「住民は(歴代の)国交相に信頼を持っていない」と述べ、具体的な進展は見られなかった。
09年9月の民主党政権発足以来、同ダムを所管する国交相は前原誠司氏、馬淵氏に続き3人目。会談で大畠国交相は「3人目の大臣で『なんなんだ』という思いがあるかもしれない。申し訳ないと思う」と謝罪した。
大澤知事は「地元は不安と苦悩の毎日を過ごしてきた」と批判。高山町長が政府・与党内で中止方針の棚上げを覆す発言があったと指摘すると、大畠国交相は「私の発言は現在の政府の発言だ。それが覆ることはない」と釈明した。【鳥井真平】
毎日新聞 2011年2月14日 東京夕刊