［事件］【大相撲野球賭博】城ノ龍ら９人を書類送検　現役力士の立件は初めて（2011.2.15 14:33）

　大相撲の野球賭博事件で、ともに阿武松（おうのまつ）部屋の元力士、古市貞秀容疑者（３４）＝賭博開帳図利容疑で逮捕＝と山本俊作容疑者（３５）＝賭博開帳図利幇助（ほうじょ）容疑で逮捕＝らを通じて野球賭博に参加していたとして、警視庁組織犯罪対策３課は１５日、賭博容疑で、十両、城ノ龍（２７）ら計９人を書類送検した。一連の野球賭博事件で、現役力士が立件されるのは初めて。

　元琴光喜や元大嶽親方（元関脇）は含まれておらず、同課は９人以外の力士ら賭客についても引き続き立件の可否を検討。また、メールの復元で明らかになった相撲賭博疑惑についても実態解明を進める。

　ほかに書類送検されたのは十両、大道（２８）ら力士４人と、元琴光喜（元大関）への恐喝未遂で逮捕、起訴された指定暴力団山口組系組幹部、安田善彦被告（４６）、後援会関係者３人の計８人。

　同課の調べによると、城ノ龍ら４人は平成２２年５月１５日のプロ野球６試合を対象とした賭博で、古市容疑者の母、米子容疑者（６３）＝賭博開帳図利容疑で逮捕＝に賭け金計二十数万円を渡した疑い。大道ら６人は２１年４月１７日～５月２５日の４１試合を対象とした賭博で、薮下哲也容疑者（２９）＝同＝に計１０８万円を渡し、それぞれ賭博に参加した疑いが持たれている。９人のうち１人は双方のルートに重複して賭博をしていた。

　山本容疑者はハンデを指定暴力団山口組弘道会系組長（死亡）から入手、薮下容疑者を通じて客に伝えていた。一方、古市容疑者は自らインターネットの会員制サイトを参考にハンデを決めて客に伝え、賭け金や勝ち金のやり取りをしていた。資金管理は米子容疑者が担当していたという。

　これまでの同課の調べで、山本、古市両容疑者のほか、男性トレーナーを含めた３ルートで３３人の力士が野球賭博に参加していたことが判明している。