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宮大医学部生アンケ:卒業後は県内で働きたい…49% 医師不足に明るい兆し /宮崎

 ◇教育体制の整備魅力 希望科は小児科1位

 宮崎大医学部の黒木純さん(23)らが、同大医学部の学生373人を対象に実施したアンケートの中で、「卒業後に宮崎県で働きたい」と回答した学生が49%に上ることが分かった。宮崎市のJAアズムホールで13日にあった「宮崎の医療をみんなで考えようフォーラム」(NPO法人ハートム主催)で黒木さんが発表した。06年度から同大が導入した地域枠推薦入試の影響で県出身者の割合が増えていることが背景にあり、医師不足が指摘される県にとって明るい兆しと言えそうだ。【川上珠実】

 アンケートは昨年10月~今年1月、黒木さんら学生が実施し、約57%が回答した。選択式で、「宮崎県で働きたいか?」との質問に「はい」と答えた49%中、28%が県出身者だった。また「いいえ」と答えた43%中、39%が他県出身者だった。県内で働きたい理由は、1位が「生活環境が合う」。2位が「患者の人柄が良い」でこの二つで約9割を占めた。

 宮崎大付属病院にある臨床研修センターによると、02~09年に県内の病院に進んだ卒業生はわずか約2割だった。当時は県出身者も1割前後と少なかったが、現在は県出身者が約3割、九州出身者が約5割と増えている。

 04年からの臨床研修制度で卒業生が研修先の病院を自由に選べるようになり、専門医療が充実した都市部に集中し、地方が敬遠される傾向があると指摘されている。しかし、アンケートによると、複数回答による「研修先に求める条件」として、「都会である」(56票)は最も少なかった。多かったのは「教育の体制が整っている」(292票)▽「給与」(203票)▽「数多い症例」(160票)だった。

 兵庫県出身で、宮大医学部付属病院で研修医として働く森下祐介さんは「研修医が少ないから先輩から熱心に指導してもらえるし、いろんな経験をさせてもらえる」と地方のメリットを挙げた。

 センターは「学生が研修先に求めるのは、しっかりと力がつけられること。単純に都会に行けばいいということでない」と指摘する。

 希望科についても医師不足で激務だといわれることも多い小児科が1位で、産婦人科は5位だった。黒木さんは「医師不足について問題意識を持つ学生が増えているのではないか」と話す。

毎日新聞 2011年2月15日 地方版

 
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