今年で2年目の「弘前雪明り」は10日から14日まで、弘前公園と吉野町緑地の2会場を中心に行われ、計2万2600個以上のキャンドルが柔らかな光で街を包んだ。夜間営業の飲食店前にもキャンドルが並び、弘前城雪燈籠まつり会場の弘前公園と土手町など中心商店街を結ぶ導線となった。前年より明かりの数が増え、「人の流れが変わり、お客さんが増えた」と歓迎する声が広がっている。
実行委員会の北村裕志委員長は「雪燈籠まつりだけでは観光客に街中を見る機会が与えられない。雪明りは中心商店街への導入部分」と狙いを説明。「今年は土手町や駅前が協力的になった。継続すれば、地域経済への波及効果がはっきり出ると思う」と話す。
今年は1日当たり前年比約1・7倍の約5000個をともした。環境教育にも取り組んでいこうと、リサイクルのキャンドル作りも実施。市内の一部ホテルはキャンドルを宿泊客にプレゼントし、祭りに足を運ぶきっかけづくりに努めた。
弘南鉄道は弘南線弘前駅、大鰐線中央弘前駅のプラットホームにキャンドルをともして利用客を迎え、ルネスアベニューは駐車場を無料開放し、一部施設の営業時間を延長して利便性向上を図った。各所で甘酒やホットアップルジュースの振る舞いも行われ、雪の中の温かいもてなしが観光客に喜ばれた。
飲食店からは「昨年は半信半疑だったが、人の流れができた。イベントとして定着すると確信している」「街の雰囲気が良くなった。観光客も結構来ていて、昨年に比べ多く感じる」と歓迎する声が聞かれた。
土手町通りから少し離れた場所の店では「キャンドルを立てたが変化が感じられない」といった意見もあったが、雪明りによる地域活性化に期待を寄せていた。
【写真説明】ハート型に並べたキャンドルも見かけられた中心商店街