KTX脱線事故:あきれたミスの数々(上)

 11日に京畿道の光明駅で発生した韓国高速鉄道(KTX)の脱線事故は、職員の安易さと適当主義、うわべだけの報告など数々のミスが原因で起こったことが明らかになった。

 線路のポイントではナットが外れていた。このナットをきちんと締めていなかったため、ポイントが正確に作動しなかったというわけだ。また韓国鉄道公社(KORAIL)修理班の職員は、ポイントを修理するため現場に行ったが、ナットが外れていることに気付かず、ポイントを「直進」に変えるというとんでもない措置を行った。しかも、この事実を管制センターにきちんと報告していなかった。これが今回の脱線事故を招く決定的な要因として作用した。KORAILは14日、こうした内容の中間調査結果を発表した。

なぜきちんと報告しなかったのか

 KORAILの調査結果によると、11日早朝に委託業者がポイントの古いケーブルを交換した後、相次いでエラーサインが点滅したという。そのためKORAIL修理班の職員が現場に出向き、修理を試みたが、原因を究明できず、臨時の措置として「直進」のみ可能になるようポイントを合わせておいた。そして管制センターに「列車の運行に支障が出ないよう、臨時に措置した」と報告し「直進のみ可能になるよう固定した」という重大な事項は伝えなかった。管制センターはこの職員の報告を「完全に措置した」と解釈し、迂回線の信号を入れた。国土海洋部(省に相当)の関係者は「光明駅に進入する列車のほとんどが直進するため、そう言わなくても問題ないだろうと判断したようだ」と語った。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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