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「麻原、詐病やめて考え述べよ」オウム土谷被告が手紙(1/3ページ)

2011年2月15日7時0分

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 地下鉄、松本両サリン事件などで、猛毒のサリンを製造したとして殺人などの罪に問われ、一、二審で死刑判決を受けたオウム真理教元幹部・土谷正実被告(46)が15日の最高裁判決を前に、一連の事件の被害者や遺族への謝罪や後悔の念をつづった手紙を朝日新聞などに寄せた。

 手紙は1日付(便箋〈びんせん〉12枚)と7日付(同6枚)。初公判で「尊師の直弟子」と自称し、二審では出廷を拒否して教祖の松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚(55)への強い帰依心を見せていたが、上告審になって「信仰心を利用され、凶悪犯罪に加担してしまった」と述べている。手紙の要旨は次の通り。

     ◇

 不幸にも一連のオウム事件の犠牲になられたご遺族・被害者の方々へ 心の底からおわびし、亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。

 麻原死刑囚(以下、麻原)は坂本堤弁護士一家失踪事件直後から「事件は教団を陥れる国家権力の陰謀」と吹聴していました。数人の実行犯を除き、信者全員がこの麻原の言葉を信じて疑っていなかったと思います。

 1995年4月に逮捕された私は、麻原の説法通り「国家権力の陰謀」が判明すると期待しましたが、逆に捜査が進むにつれて麻原のうそが次々と暴露されました。悲惨な被害状況への罪悪感から来る良心の呵責(かしゃく)と、麻原への帰依心との間で葛藤し、気持ちが離れそうになりました。

 ところが、9月にある宗教体験をして帰依心がよみがえり、初公判で職業を「尊師の直弟子」と述べ、麻原への帰依を表明し続けました。私の態度がご遺族・被害者の心情を害し、非難を免れないと覚悟しています。

 転機は、麻原の裁判に証人出廷した経験でした。麻原は期待に反して(被告人質問で)一言も証言せず、迷いが生じ始めました。麻原には堂々と証言してほしかった。「弟子をほっぽらかしにして逃げたのではないか」という思いが強まりました。

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