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93歳ラガーマン 金色パンツで「1分でも出続けたい」(1/2ページ)

2011年2月15日9時0分

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写真:親善試合をしたカナダのチームと記念撮影する金色のパンツ姿の阿保壹さん(左から3人目)=2008年9月、奈良県天理市の天理親里ラグビー場。阿保さん提供拡大親善試合をしたカナダのチームと記念撮影する金色のパンツ姿の阿保壹さん(左から3人目)=2008年9月、奈良県天理市の天理親里ラグビー場。阿保さん提供

写真:日本体育協会の表彰状を手に笑顔を見せる阿保壹さん=大阪市福島区、成川写す拡大日本体育協会の表彰状を手に笑顔を見せる阿保壹さん=大阪市福島区、成川写す

 93歳の現役ラガーマンが、奈良県天理市の天理高校・大学OBでつくるラグビーチーム「オールドベア」にいる。楕円(だえん)球との出会いから80年。「全国で5人いるかどうか」(日本ラグビーフットボール協会)という90歳以上のみが着用を許される金色のパンツで駆け回っている。

 大阪市福島区の阿保壹(あぼ・はじめ)さん。13歳の時、旧制天理中学校(現・天理高校)のラグビー部に入った。スクラムから出たボールを素早く回すスクラムハーフとして活躍。すばしこい動きから「リス」のあだ名がついた。卒業前年の1934(昭和9)年にはチームを全国大会3位に導いた。

 早稲田、明治の強豪大学から入学を勧められたが、両親から「戦争が起こるかもしれない。ラグビーをやってる場合じゃない」と反対され、断念した。卒業後、約8年の兵役を終えて大阪の鉄鋼メーカーに就職。休みになると天理へ通い、OBチームで汗を流した。

 21年前に妻マキ子さんを亡くしてから一人暮らし。料理も掃除も洗濯もすべて自分でやる。毎日30分ウオーキングし、風呂で手足の運動を欠かさない。「規則正しい生活が健康の秘訣(ひけつ)」と、風邪以外は病気と無縁だ。

 40歳以上の約90人が所属するオールドベアの試合には年数回出場している。現役時代は身長160センチ、60キロだったが、今は155センチ、50キロ。最近トライはないが、スクラムハーフとして5〜10分間出場し、往年の片鱗(へんりん)を見せる。

 年齢差のある選手が思いきりぶつかる危険を避けるため、シニアのラグビーパンツの色は年代ごとに定まっている。40歳以上のラグビークラブ「不惑倶楽部」(東京)が導入し、全国に広まった。90歳以上は金。オールドベアでは阿保さん1人だ。「チームの精神的支柱」と、チームメートの神田正道さん(75)。「自分もまだまだ頑張らんと」

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