政治【主張】小沢氏処分 なぜ離党勧告できぬのか2011.2.15 02:41

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【主張】
小沢氏処分 なぜ離党勧告できぬのか

2011.2.15 02:41

 政治資金規正法違反の罪で強制起訴された小沢一郎元民主党代表に対する処分問題は、裁判が終わるまで党員資格停止とすることで決着する方向となった。

 党員資格停止により、党の役職には就けず、代表選にも出られないほか、公認や活動資金が得られないなどのペナルティーが加えられるが、最長「6カ月」とされる処分期間は「判決確定まで」と条件が変更される。

 だが、国民から見ればあくまでも民主党内部の問題にすぎず、元代表が今後も党にとどまって活動するのを認める内容だ。

 元秘書の石川知裕衆院議員は起訴後に民主党を離党した。今回の処分では、元代表が知らん顔を決め込むのを黙認することにもなる。自民党の加藤紘一元幹事長が事務所代表の所得税法違反事件で離党、議員辞職したケースなどに比べ甘いとの印象は否めない。

 第一、菅直人首相が10日の元代表との会談で自発的離党を求めたことから考えれば最低限、離党勧告が筋だろう。しかも、元代表が離党を拒否した以上、強制離党にあたる除籍処分で臨むのが当たり前だ。

 そもそも、元代表の政治的かつ道義的責任の重さを考えれば議員辞職しかない。各種世論調査でも議員辞職を求める回答は5~6割に上っている。国民の感覚から乖離(かいり)した対応では、「政治とカネ」の問題にけじめをつけるという首相の決意も疑われよう。

 首相も出席した14日の役員会では、岡田克也幹事長が党員資格停止処分について15日の常任幹事会に諮ることを提起した。

 首相らが「あまり処分に時間をかけるべきでない」と判断したのは妥当だが、党内対立の激化を避けるために3つのうち最も軽い処分で決着を図ろうとしたのは理解に苦しむ。役員会では、処分に反対する輿石東参院議員会長ら3人を抑えて方針を決めたが、反対意見を押し切る以上、厳しい処分を選択すべきではなかったか。

 資金管理団体「陸山会」をめぐる事件では、元秘書ら3人が逮捕・起訴され、虚偽記載は20億円を超えた。政党助成金や立法事務費などの公金を含む旧政党資金が迂回(うかい)して入れられた問題もある。

 今回の処分や今後の証人喚問への対応も含め、首相や執行部は国民の厳しい視線に向き合う中で自浄努力を示してほしい。

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