3歳の男児が転落した現場。ホームと列車の隙間は約16センチ=JR熊本駅
事故当日、同社は熊日の取材に対し、車内放送はしていたと説明していた。試乗会は28日まで開かれる予定。同社は「事故後は呼び掛けを徹底。駅設備の改良などハード面での再発防止策も検討したい」と話している。
同社によると、男児は祖母と2人で乗っており、博多から到着した試乗列車から降りようとして、約16センチの隙間から転落。軌道よりさらに約1・3メートル下の作業用通路まで落ちた。係員は男児に外傷がないと判断、病院に行くよう伝えたという。
同ホームは、わずかにカーブしているため約9~17センチの隙間が空く。九州新幹線では新水俣駅の約18センチが最大。「列車とホームが接触しないように隙間が空くのは仕方がない」と同社。県内の在来線のJR駅では10センチ前後が一般的だが、宇土市の赤瀬駅や八代市の坂本駅では、最大約25センチの隙間ができる。
ただ、全国的には転落防止に対応しているケースもある。沖縄都市モノレール(那覇市)は2003、04年に幼児が車両とホームの隙間から転落する事故が相次いだため、ホーム端にゴム板を設置。最大19センチを16・3センチに縮めた。しかし、07年に再び転落事故が起きたため、翌年、車両が接触してもダメージを受けないよう、くし状のゴムを新設し、9・1センチにまで短縮。以降、事故は起きていないという。同モノレールは「転落した幼児たちにけがはなかったが、万一に備え対策をとった」と言う。
一方、秋田新幹線と山形新幹線では、車両が通常の新幹線より小さいため、乗降の際にドアの下部から金属板のステップ(約30センチ)が出て、隙間を狭くし、安全性を確保している。
国土交通省九州運輸局によると、ホームと車両の隙間について安全基準はないという。同局は「事故が起きたのは事実。できる対策をとるようアドバイスや指導をしていきたい」と話している。
(内田裕之)
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