ライフ【児童養護施設の現場から】(4)「負の連鎖」遮断 目標達成に進学を提言 +(2/3ページ)(2011.2.15 07:37

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【児童養護施設の現場から】
(4)「負の連鎖」遮断 目標達成に進学を提言 

2011.2.15 07:37 (2/3ページ)
「『親は親、自分は自分』と考えられれば、施設出身者は社会を支える人になれるはず」。職員の青松貞光さん(奥)からアドバイスを受ける兵藤里美さん(仮名)=1月26日、東京都調布市の児童養護施設「二葉学園」

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「『親は親、自分は自分』と考えられれば、施設出身者は社会を支える人になれるはず」。職員の青松貞光さん(奥)からアドバイスを受ける兵藤里美さん(仮名)=1月26日、東京都調布市の児童養護施設「二葉学園」

 兵藤さんの実母は、人との関係を築くことが苦手なタイプ。兵藤さんが幼い頃に離婚、兵藤さんは母について各地を転々としながら暮らした。家計は困窮、母はストレスから兵藤さんに暴力をふるい、兵藤さんは児童相談所に一時保護された。

 「最初、施設に来たときは3度の食事が提供され、ここから学校にも行けるというので驚いた」という兵藤さん。確かに衣食住は困らなかったが、施設での暮らしは決して心が落ち着くものではなかった。

 一緒に暮らす子供の6割は自分と同様に親から虐待を受け、心に傷を抱えていた。悪口や無視、嘘、腹の探り合いの中で暮らさざるを得ず、悲しい思いを何度も味わった。

 だが、担当職員の青松貞光さん(28)の存在が支えになった。青松さんは、兵藤さんが「親からの負の連鎖」を断ち切るため、ある具体的な実践をアドバイスした。

 それが「進学」だった。

 ◆頑張る力あった

 同園では「社会に通じる学歴や資格を身につけてほしい」との考えから、子供たちに専門学校や短大、大学への進学を勧めている。

 「普通の子より頑張って、社会で通じる力をつけないと」。青松さんから何度も言われて育ったおかげで、兵藤さんには中学生の頃から保育士になるという具体的な目標ができた。

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「『親は親、自分は自分』と考えられれば、施設出身者は社会を支える人になれるはず」。職員の青松貞光さん(奥)からアドバイスを受ける兵藤里美さん(仮名)=1月26日、東京都調布市の児童養護施設「二葉学園」

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