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きょうのコラム「時鐘」 2011年2月15日
数字は時に皮肉である。小紙に載った世論調査で、菅内閣と大相撲の八百長問題が似た数字をはじき出した
内閣支持率が19・9%、「過去に八百長はなかった」と見る潔白派が18・6%。「平成の開国」という掛け声と、ウミを出すという意気込みが、同じように冷ややかに見られている 期待値20%未満という数字は、二つの世界に対するしらけた気分を映すようである。無論、政治と大相撲とは違う。政権の先行きに角界の明日を重ねるのは乱暴に過ぎよう。似て非なるものは、いくらもある。先の能登の口蹄疫(こうていえき)騒ぎがそうだった 似て非なるものもあれば、その逆もある。大相撲を単なるスポーツではなく伝統文化と見る意見が、調査では57%を占めた。そうであるなら、政治に劣らず、大切な存在である。それが共に窮地に陥っている。おざなりに始末するわけにはいかない やたら不祥事が起きるのも、二つの世界はそっくり。「これまであなたはそれに甘い顔をしてきましたか」と、世論調査で一度問うてみたい。残念ながら政治にも大相撲にも高い率で「はい」の数字が出そうな気がする。 |