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あの「カラスてんぐ」ミイラ、正体はトンビだった 和歌山県のCTで判明
2011.1.19 09:57
「カラスてんぐ」の正体は、トンビとみられる鳥の骨と粘土だった-。和歌山県がコンピューター断層撮影(CT)でミイラを解析し、こんな結果を出していたことが19日、分かった。
ミイラは仏教を守護する八部衆の一人「生身迦樓羅王尊像」とされ、信仰の対象になってきたが、関係者の間では「正体が分かってすっきり」「昔の信仰や技術を調べるきっかけになる」などと注目が集まっている。
県立資料館「紀伊風土記の丘」(和歌山市)によると、高さ約39センチ。頭の両側にとがった耳があり、鋭いくちばしや翼も。ある僧が941年、奈良・大峰山で修行していると、「安産除悪の秘符」とともに天から降ってきたと伝えられる。
江戸時代から明治時代には、山伏がミイラを納めた厨子を背負って各地を巡り御利益を説いた。同県御坊市で行き倒れた山伏が持っていたのを、地元の神社が明治時代から保管してきた。
県工業技術センターが平成19年12月、保存事業の一環としてCTで調べたところ、トンビとみられる2羽の鳥の骨に粘土や和紙を肉付けしたものだった。鳥のくちばしを外に出すなど“本物”らしく見せるため工夫していた。江戸後期に作られたとみられる。
紀伊風土記の丘の藤森寛志学芸員(36)は「当時の信仰状況が分かり夢が広がる」と話している。
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