ジャック・ル・ゴフ(著)桐村泰次(訳)『中世西欧文明』
〈出版社による紹介〉
アナール派歴史学の旗手として中世社会史ブームを生みだした著者が、政治史・社会史・心性史を綜合して中世とは何かをはじめてまとめた記念碑的著作。アナール派の神髄を伝える現代の古典、ついに邦訳。
〈レビュー〉
西欧中世史についての全体的な概説書。政治史中心ではない叙述スタイルをとっている。
西欧中世史についての全体的な概説書。政治史中心ではない叙述スタイルをとっている。
〈目次構成〉
序論
第一部 西欧世界の歴史的進展
第一章 蛮族たちの定着(五~七世紀)
1 ローマ世界の危機
2 ローマ人と蛮族
3 蛮族侵入と新しい西欧の地図
4 初期中世――新しい構造
〔結び〕古代から中世へ――連続か断絶か
第二章 ゲルマン人の組織化の試み(八~十世紀)
1 カロリンガ朝の西欧
2 新たな外寇
3 カロリンガ世界の危機
4 オットーによる再建
5 《十世紀ルネサンス》
〔結び〕中世の飛翔――外的引力か内発か
第三章 キリスト教世界の形成(十一~十三世紀)
1 キリスト教世界の興隆――農業の進歩と人口増大
2 キリスト教世界の拡大――周囲のキリスト教化とレコンキスタ・十字軍
3 都市の復活
4 新しい商業
5 知識と芸術の発展
6 教会と信仰
7 西欧の封建制度
8 政治的波乱――教皇権と帝権
9 政治的波乱――諸国家の芽生え
〔結び〕空間の組織化――都市か国家か
第四章 キリスト教世界の危機(十四~十五世紀)
1 《フロンティア》の終焉
2 十四世紀の危機
〔結び〕危機がもった意義――全般的後退か進展の前兆か
第二部
第五章 闇の中に輝くもの(五~九世紀)
1 異教文化とキリスト教精神
2 断片化された知識
3 知的後退と適応
4 文明の小島――都市・宮廷・修道院
5 《中世》を創設した人々
6 《カリロンガ・ルネサンス》
第六章 中世の空間的・時間的構造(十~十三世紀)
1 森と空き地
2 中世の道
3 自然と宇宙
4 ビザンティンと教会分裂
5 イスラム世界とキリスト教世界
6 異教徒たちと改宗
7 キリスト教世界と《モンゴル神話》
8 キリスト教世界の閉鎖性と開放性
9 彼方の世界――神
10 もう一つの彼方の世界――悪魔
11 天上と地上をつなぐもの――天使
12 時間・永遠・歴史
13 具体的時間への関心
14 農民の時間
15 領主の時間
16 聖職者の時間
17 遁世
18 千年王国の夢――アンチ・クリストと黄金時代
第七章 生活の物質的条件(十~十三世紀)
1 中世における諸発明
2 《機械》の活用
3 木と鉄
4 農耕技術
5 動力源
6 船舶
7 そのほかの技術
8 経済生活
9 封建社会の経済観念
10 飢餓の世界
11 肉体的な脆さと疫病
12 資源の消耗と経済の不安定
13 中世の経済成長
14 現物経済と貨幣経済
15 経済成長の社会的影響
第八章 キリスト教精神と西欧社会(十~十三世紀)
1 《三身分制》社会
2 世俗的身分社会
3 双頭の社会――教皇と皇帝
4 バベルの塔――キリスト教世界の分裂
5 個人と集団
6 家族共同体
7 女と子供
8 領主の世界
9 村落共同体と都市共同体
10 都市の発展
11 都市と封建社会の抗争
12 農村地域での階級抗争
13 都市における階級抗争
14 階級抗争と女たち
15 階級内部の対立
16 教会と王権
17 横断的共同体
18 社会の要としての教会・城・水車・居酒屋
19 社会から疎外された人々――異端・らい病患者・ユダヤ人・魔女
第九章 中世の人々の思考と感情(十~十三世紀)
1 不安感
2 古さへの依存――権威
3 神的なものへの依存――奇跡と神明裁判
4 象徴的思考と感性
5 色と光――美と力
6 逃避と夢
7 本の普及と合理主義の進展
8 スコラ学の精神
9 道徳主義
10 中世の宮廷風恋愛と近代的恋愛
11 自然の非神格化
12 欺瞞と虚偽
13 外観の文明――身体と動作
14 衣服と装束
15 住居
16 祭とゲーム
エピローグ――永続性と刷新(十四~十五世紀)
1 永続するもの
2 苛立ちとその過剰
3 ユマニスム
訳者あとがき
参考文献
序論
第一部 西欧世界の歴史的進展
第一章 蛮族たちの定着(五~七世紀)
1 ローマ世界の危機
2 ローマ人と蛮族
3 蛮族侵入と新しい西欧の地図
4 初期中世――新しい構造
〔結び〕古代から中世へ――連続か断絶か
第二章 ゲルマン人の組織化の試み(八~十世紀)
1 カロリンガ朝の西欧
2 新たな外寇
3 カロリンガ世界の危機
4 オットーによる再建
5 《十世紀ルネサンス》
〔結び〕中世の飛翔――外的引力か内発か
第三章 キリスト教世界の形成(十一~十三世紀)
1 キリスト教世界の興隆――農業の進歩と人口増大
2 キリスト教世界の拡大――周囲のキリスト教化とレコンキスタ・十字軍
3 都市の復活
4 新しい商業
5 知識と芸術の発展
6 教会と信仰
7 西欧の封建制度
8 政治的波乱――教皇権と帝権
9 政治的波乱――諸国家の芽生え
〔結び〕空間の組織化――都市か国家か
第四章 キリスト教世界の危機(十四~十五世紀)
1 《フロンティア》の終焉
2 十四世紀の危機
〔結び〕危機がもった意義――全般的後退か進展の前兆か
第二部
第五章 闇の中に輝くもの(五~九世紀)
1 異教文化とキリスト教精神
2 断片化された知識
3 知的後退と適応
4 文明の小島――都市・宮廷・修道院
5 《中世》を創設した人々
6 《カリロンガ・ルネサンス》
第六章 中世の空間的・時間的構造(十~十三世紀)
1 森と空き地
2 中世の道
3 自然と宇宙
4 ビザンティンと教会分裂
5 イスラム世界とキリスト教世界
6 異教徒たちと改宗
7 キリスト教世界と《モンゴル神話》
8 キリスト教世界の閉鎖性と開放性
9 彼方の世界――神
10 もう一つの彼方の世界――悪魔
11 天上と地上をつなぐもの――天使
12 時間・永遠・歴史
13 具体的時間への関心
14 農民の時間
15 領主の時間
16 聖職者の時間
17 遁世
18 千年王国の夢――アンチ・クリストと黄金時代
第七章 生活の物質的条件(十~十三世紀)
1 中世における諸発明
2 《機械》の活用
3 木と鉄
4 農耕技術
5 動力源
6 船舶
7 そのほかの技術
8 経済生活
9 封建社会の経済観念
10 飢餓の世界
11 肉体的な脆さと疫病
12 資源の消耗と経済の不安定
13 中世の経済成長
14 現物経済と貨幣経済
15 経済成長の社会的影響
第八章 キリスト教精神と西欧社会(十~十三世紀)
1 《三身分制》社会
2 世俗的身分社会
3 双頭の社会――教皇と皇帝
4 バベルの塔――キリスト教世界の分裂
5 個人と集団
6 家族共同体
7 女と子供
8 領主の世界
9 村落共同体と都市共同体
10 都市の発展
11 都市と封建社会の抗争
12 農村地域での階級抗争
13 都市における階級抗争
14 階級抗争と女たち
15 階級内部の対立
16 教会と王権
17 横断的共同体
18 社会の要としての教会・城・水車・居酒屋
19 社会から疎外された人々――異端・らい病患者・ユダヤ人・魔女
第九章 中世の人々の思考と感情(十~十三世紀)
1 不安感
2 古さへの依存――権威
3 神的なものへの依存――奇跡と神明裁判
4 象徴的思考と感性
5 色と光――美と力
6 逃避と夢
7 本の普及と合理主義の進展
8 スコラ学の精神
9 道徳主義
10 中世の宮廷風恋愛と近代的恋愛
11 自然の非神格化
12 欺瞞と虚偽
13 外観の文明――身体と動作
14 衣服と装束
15 住居
16 祭とゲーム
エピローグ――永続性と刷新(十四~十五世紀)
1 永続するもの
2 苛立ちとその過剰
3 ユマニスム
訳者あとがき
参考文献