ここから本文エリア 2011統一地方選@東京
民主公認 辞退相次ぐ2011年02月13日
◆区議・市議の立候補予定者 菅内閣の支持率が低迷し、各地の市議選などで敗退が続く民主党。都内では4月の統一地方選の立候補予定者が公認や推薦を辞退する動きが相次いでいる。党都連は統一選で「議員定数の4分の1以上の候補者擁立」を掲げるが、それどころではない厳しい状況に直面している。(石原剛文、松村康史、岡雄一郎) ◆他党へくら替えも 夕方の東急目黒線武蔵小山駅前に、品川区議選に初めて立候補する予定の伊藤優太さん(25)が立っていた。道行く人に手渡すビラは2カ月前とは異なる。昨年12月に民主党公認を返上し、みんなの党に移ったからだ。 「期待してるわ」と声がかかる。「民主党はねえ……」などと言われ、戸惑っていたころとは感触が違う。 「若い世代の意見を社会に反映したい」とファッションモデルのマネジャーから転身を決めた。民主党が躍進した一昨年の都議選でボランティアをした縁で区議候補の公募に申し込み、昨年10月に公認が決まった。 直後の11月、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件を写した海上保安庁の映像がインターネットに流出。菅政権は映像を国民に公開しなかった。「情報公開が信念」という伊藤さんは疑問を抱き、公認の取り下げ願いを提出した。 雇用政策などで「若い世代を重視している」と感じたみんなの党へ。「まさか他の党へ行くとは」と地元の民主党関係者は困惑気味に語った。 ◆「西東京ショック」 菅首相の地元、武蔵野市でも、市議選の候補者に内定していた女性2人のうち1人が立候補を取りやめ、もう1人も辞退を申し出ている。 定数26の同市議会で、民主系会派の現有議席は5。武蔵野支部は「定数の4分の1」という都連の指示に従い、7人の擁立を目指して昨年10月から公募を始めた。 12月に入り、1人を公認、もう1人を推薦で擁立することが内定。ちょうど隣の西東京市で市議選があり、2人は「実践練習のために」と手伝いに入った。 しかし、7人を擁立した同市議選は議席を5から3に減らす惨敗。直後に武蔵野支部は2人から辞退の連絡を受けた。「家族の同意が得られない」などの理由だったが、支部内では「西東京ショック」の影響もあると受け止められている。 「7人擁立」は難しくなったが、党への逆風が続く中、現職らの間には「西東京の二の舞いになるより良かった」との空気も漂う。 党都連が統一地方選の目標を「定数の4分の1以上」に決めたのは昨年7月。都内の区市町村議会の勢力は自民、公明、共産の各党に次ぐ「第4党」。23区で15%、多摩地域で12%に過ぎない議席占有率を考えれば高いハードルだが、「政権与党の基盤を固めるために、強気の目標を掲げた」と都連幹部は説明する。 しかし、統一地方選で擁立が決まった党の公認・推薦候補の数は現在、23区で目標の86%、多摩地域の市議選で70%ほどにとどまっている。今後も大幅な追加は見込めず、目標達成は極めて厳しい。それどころか、「現状でも『候補者数が多すぎて共倒れになる』という声もある。ただ、すでに活動を始めた立候補予定者を断念させて絞り込むわけにもいかない」。幹部は声を落とした。
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