韓国便予約、渡航日に逮捕＝ナイフ、直前に地元で購入か―高齢夫婦殺傷・警視庁

　東京都目黒区の無職大原道夫さん（８７）夫婦殺傷事件で、木村義昭容疑者（６５）＝福島県いわき市＝が韓国行き航空便を予約し、逮捕された１０日に渡航予定だったことが１３日、捜査関係者への取材で分かった。

　同容疑者は「ソウルで入院する娘の治療費が必要だった」と供述。家族は全員国内におり、警視庁目黒署捜査本部は同容疑者の関係者が現地にいるとみて裏付けを進める。

　捜査関係者によると、同容疑者は１０日昼ごろ、１人で車に乗り、自宅を出発。捜査員が追跡して福島空港近くで任意同行を求め、逮捕した。

　同容疑者はパスポートを持っており、捜査本部が航空便の予約状況を調べたところ、同日午後１時１０分発の韓国便を予約していた。

　パスポートには複数回、韓国を行き来した履歴があった。同容疑者は大原さんを襲った理由について「ソウルで難病で入院している娘の治療費が必要だった」と説明したという。

　生活に困った様子はなかったが、知人から計数百万円を借金。中には「娘の治療費」名目もあり、事件後にも金を借りていた。

　一方、同容疑者には妻、長女、次女がいるが、いずれも国内にいることが確認されている。

　捜査本部は同容疑者の関係者がソウル付近にいる疑いがあるとみて、渡航歴を裏付け、携帯電話を解析する。

　事件直前の先月上旬、自宅近くのホームセンター防犯カメラには、同容疑者とみられる男の出入りが写っていた。殺傷に使われたものと同型の果物ナイフが売られており、同容疑者が同店で購入した可能性が高い。