大邱地下鉄放火:遺骨を無断改葬、誰が何のために!?(上)

市立墓地などに埋葬された遺骨30柱、「安全テーマパーク」内に改葬

 2003年2月18日、大邱市の地下鉄1号線中央路駅で放火によって発生した火災は、韓国史上最悪の火災事故とされる。この事件で192人が死亡、148人が負傷した。死者の遺骨は遺族の事情により、同市立墓地や寺院、個人所有の墓地などに埋葬された。ところが、今月18日の8周忌を前に、一部の犠牲者の遺骨が同市所有の土地に無断で改葬されていたことが明らかになった。一体何のためにこのようなことが行われたのか。

 遺骨の無断改葬疑惑が浮上したのは、昨年12月、犠牲者の遺族の一人が「犠牲者対策委員会の委員長が主導し、嶺南仏教大学観音寺と大邱市立墓地に埋葬されていた30柱の遺骨を、八公山の安全テーマパーク(写真)の庭に埋葬した」という内容の印刷物を大邱市庁の記者クラブに配付したのがきっかけだ。安全テーマパークは、同市が地下鉄放火事件の後、同種の事件の再発を防ぐための教育の場として建設した施設だ。

 うわさが広がったのを受け、安全テーマパーク近くの商店会「竜水洞地区商店繁栄会」の会員らが反発した。地価が下がり、売り上げに良からぬ影響を与えるのではないか、という懸念を持ったからだ。かつて、一部の遺族が安全テーマパークの建物の中や庭の木の下に遺骨を改装したいという意見を述べたときも、商店繁栄会は「絶対に認めない」と反発している。同会は安全テーマパークを管理する消防本部に対し抗議したが、これに対し消防本部は「われわれも知らなかったことだ」として、大邱東部警察署に捜査を依頼した。警察は捜査の過程で、遺骨が安全テーマパークの庭に埋められたことを確認した。

 問題は、誰がどんな理由で、この場所に遺骨を埋めたのかということだ。疑惑について初めて言及した印刷物には、犠牲者対策委員会の委員長が遺骨の改葬を主導したことが記されていたが、同会の委員長はその事実を否定し「わたしとは何ら関係のないことだ。対策委員会に所属する一部の遺族らが遺骨を持ち出して埋めたものだ。該当する遺族らには、対策委員会に対し釈明するよう求めたが、『(釈明しに)行く』と返事しただけで、まったく連絡がつかない状況だ」と主張した。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る