日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2004年6月23日発行

6月定例会・議案外質問(6月22日) 黒田二郎議員

あらためて道路清掃汚職の市長責任をただす

黒田議員は、(1)道路清掃談合汚職事件の市長責任、(2)病児・病後児保育の実施、(3)都市計画道路池内猪高線の3点について追及しました。(全文はこちらから(別のページが開きます))

政官業のゆ着などが裁判で明らかになる

5月臨時議会で市長の給料を3か月・5割減額することを議会で可決した際に、わが党は「まだ全容が明らかになっていないもとで、これをもって幕引きは許されない」と指摘しました。

黒田議員は、「渡辺元市議などが裁判で明らかにしたのは(1)官製談合が長年にわたって行われていたこと。(2)他の複数の議長・副議長経験者など大物市議が業者を応援していたこと。(3)政官業の癒着体質に根源があるとしたことである。市長はどのような認識か」とただし、「司法の場で事件の中心人物がこのような主張をしたことにかんがみ、「臭い物にフタ」ではなく、あらためて市役所内部に調査委員会を設置するなど、行政は全容解明を行うことが必要ではないか。渡辺元市議が公判で主張したことが事実なら、市長の責任は、3カ月の減給処分で足りるのか」と追及しました。

全容解明こそ市民からの信頼回復

松原市長は「一連の事件は現在係争中であり、司法の判断を注視したい。市民の信託に応え、公正な市政を実現し信頼を回復したい」と答弁。黒田議員は「行政は行政の立場で、議会は議会としての立場で、全容究解明に努めることなくして信頼回復を図ることはできない」と強調しました。

渡辺アキラ元市議に 有罪判決下る

道路清掃汚職事件であっせん収賄罪に問われた渡辺アキラ元市議(名東区)への判決が6月22日、名古屋地裁でありました。判決では「犯行は悪質」「市の業務を監督する市議の立場を悪用」としながらも、懲役2年6月、執行猶予3年、追徴金100万円を言い渡しました。同元市議は、起訴事実を認め謝罪しましたが、元緑政土木局長と元道路部長は否認しています。

病児・病後児保育の実施を求める

黒田議員は、乳幼児の病後・病後児保育の実施を強く求めました。

市内には自主的に病児保育を行っている医療機関が2カ所(緑区と天白区)ありますが、利用者は1カ所・年間800人を上回っています。これまで市は病児保育について「研究していく」とし、病後児保育については、「のびのび子育てサポート事業」で対応するとしてきました。しかし、同事業では子どもの病気回復期の利用は、02年度41件、03年度37件にしかすぎません。

政令市で未実施は、名古屋だけです

黒田議員は、こうした実態をふまえ「『のびのび子育てサポート事業』では、市民要求に対応できない。子どもの突然の病気や病気回復期に、安心して預けられるシステムになっていない。利用料金が1時間800円と高く、仮に8時間なら1日の利用料金が6400円にもなる。他市では国の補助も受け、1日2000円ほどの利用料となっている」と指摘。「病児保育の研究はどこまですすんでいるのか。実施にあたっての課題は何か。医師会など関係機関との協議は行ったのか」とただすとともに、病後児保育の実施に踏み切ることを強く求めました。

健康福祉局長は、「研究・検討」答弁を繰り返しました。

住民の声を無視―池内猪高線の工事強行

千種区内の都市計画道路池内猪高線の工事について、地域住民らが工事差し止めの仮処分を求める訴えを名古屋地裁に出しました。

黒田議員は、「住民は道路計画そのものに反対していたわけではない。環境悪化を防ぐ方策を求めていたなかで、市当局が工事着工を強行したことから裁判所へと訴えたものである」と指摘し、その一方で予算執行にあたり異例の事態となっていることを明らかにしました。

「02年度から04年度へと『繰越明許』の手続きを経ていたが、03年度中に完了せず、当局は04年度へと『事故繰越』の手続きをした。しかし、国に認められず事業は終了としたのに、なぜ市は工事を継続したのか」「国の補助を受けられなくなり、予定した財源が入らず損失となるのは問題だ」と追及。松原市長は「地域の意見を参考にともに考え努力したい」と答弁。黒田議員は「行政が信頼回復をするためには、ここで立ち止まって、住民と真摯に向き合っていくべきだ」と要求しました。