【コラム】IMFの無能に対する痛切な反省文(下)

 外部の専門家の意見を聞く窓口を設けることも有効だ。世界最大の債券投資会社であるピムコは、社内役員10人で構成される投資委員会のほか、「影の投資委員会」もある。投資委員会に対し、常に疑問も提起し、厳しく注文を付けるのが役割だ。

 第二に、権力に対し真実を語れるようにする制度の実現だ。IMFの複数の幹部は「上に強硬に異論を唱えれば、出世の道が絶たれる」と感じたと話した。一方、上層部の考えに同意すれば、それがたとえ失敗しても処罰されない。それを避けるためには、経営陣の認識から変えなければならない。

 河島喜好元ホンダ社長は、退任に際し、「最近2-3年で自分が語ったことが社内で8割も通った。6割を超えればワンマン経営の弊害が出る危険信号だという。それで退任を決めた」という言葉を残した。

 第三に、部署利己主義から脱する方策を立てることだ。アップルのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)は「創意性という点と点を結ぶことだ」と指摘した。点と点を結ぶ機会を増やし、それを奨励すべきだ。

 意思疎通に苦悩する経営者には、IMFの反省文を一読してもらいたい。そして、自らも反省文を一度書いてみてもらいたい。

李志勲(イ・ジフン)経済部長

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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