KTX脱線事故:ナットの緩みに無連絡、人災濃厚に(下)
(3)報告も行わず
KORAIL職員がポイントを直進のみ可能に設定した際、それを管制センターに報告していれば、事故は防ぐことができた。しかし、職員らは管制センターに全く連絡しなかった。管制センターは事実を知らないまま、線路を切り替える指示を出し、事故につながった。国土海洋部の関係者は「現場との意思疎通が円滑だったならば、防ぐことができた事故だった」と指摘した。
このため、KTXの運行システム全般を点検すべきだとの指摘が出ている。
鉄道事故に詳しいサムスン物産のカン・ギドン顧問は「今回の事故は機械的な欠陥ではなく、操作ミスや不注意により発生したとみられる。エラーが出た際、どのような措置を取るべきか、関連マニュアルがあったはずだが、所定の手続きを踏まず、必要かつ基本的な連絡すらしなかった」と批判した。
これについて、KORAIL関係者は「韓国鉄道事故調査会による調査結果が出た段階で、全般的な改善案と補完策を立てる。現時点ではKTXの運転正常化を重点に事故の収拾に当たっている」と述べた。
脱線事故が起きたKTXは、2004年の開通から7年近くがたつ。このため、事故原因と推定されるポイントの問題以外に、車両、線路に関係する欠陥、列車運行情報システム、自動制御システムなどに問題がないかどうか全般的なチェックを求める声が専門家から出ている。
一方、今回の脱線事故の影響で乱れていたKTXのダイヤは13日にほぼ正常に戻った。
KORAILによると、12日午後8時ごろに脱線事故区間で運転を再開し、週末の通常の運転本数(217本)の98.2%に相当する213本が運転され、ダイヤは事実上復旧した。KORAILは同日午後、事故が発生した日直トンネル付近で脱線していた6両を撤去し、線路や信号設備などの応急修理を終えた。
キム・ミンチョル記者
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