「(菅首相や仙谷由人民主党代表代行は)いままで神様みたいだった小沢を苛めることができて、嬉しくてたまらないみたいだな」
民主党の長老・渡部恒三元衆院副議長は、小沢氏を葬り去って一時の昂揚に包まれている菅首相らについて、そう感想を洩らした。
だが、「光秀の三日天下」(正確には11日)という言葉が示すように、準備もなしに、行き当たりバッタリで政権を奪取した者の最期はあっけない。単に「首相になりたい」「その椅子を守りたい」一心で、口から出まかせを連発し、国民の期待を裏切ってきた菅首相の先行きは暗い。
「2月6日の名古屋市長選・愛知県知事選の結果によって、党内では"菅降ろし"の声が出てくる。これで菅さんが責任を取らないなら、間違いなく4月の統一地方選に大打撃を与えることになります。民主党の不人気は地方議員のせいではなく、やることなすことすべて整合性がない、菅政権によるものだというのに・・・」(吉田公一代議士)
怒鳴る、怒鳴りまくる
このまま菅首相が総理大臣の座に居座ったら、民主党は終わりだ---。いまやそれは、大半の民主党議員にとって、暗黙の了解事項になりつつある。マグマのように鬱積した不満は、ふとしたきっかけで噴出し、簡単に大噴火を起こすだろう。そして今度起きる爆発は、菅政権のみならず、民主党そのものを消滅・四散させる結果になる。
「今年度予算を自然成立させるためには、3月2日までに衆院を通過させなければなりません。ところが、ただでさえ通常国会の開会が当初の予定より遅れた上、菅政権の求心力低下、野党の抵抗で、これがほぼ絶望的になってきました。仙谷氏ですら周辺に、『このまま菅政権が続くと、予算が通らん』と洩らしています」(民主党中堅代議士)
菅政権の場合、本予算の成立が覚束ない上に、その予算執行の根拠となる関連法案の成立も絶望的。予算を仕上げることができなければ、「最小不幸社会の実現」などという首相の公約など、単なる空文と化す。
民主党国対幹部も、表向きは「野党との協議の道を探る。小沢起訴を交渉カードに使えないか」などと話しつつ、ホンネとなると、
「どう考えても、菅には退陣しか残されていない」
と完全に勝負を投げている状態だ。
「民主党は公明党との連携を図っていますが、相手のほうは、もはや民主と組むつもりはまったくありません。菅首相は、4月の統一地方選が気になる公明党が、話せば手を貸してくれると考えていたようですが、いまでは公明党が、民主党と組むメリットがありません。民主党が地盤沈下すれば、それだけ公明党やみんなの党の票が伸びる、という状況なのですから」(政治評論家・屋山太郎氏)
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