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ヒョードル衝撃TKO惨敗…引退示唆

 「ストライクフォース・M-1グローバル」(現地時間12日、米アイゾッドセンター)

 一つの時代が終わった。米総合格闘技団体ストライクフォースのワールドGPヘビー級トーナメントが12日(日本時間13日)、開幕し、長らく世界最強の座をほしいままにしてきたエメリヤーエンコ・ヒョードル(34)=ロシア=がアントニオ・シウバ(31)=ブラジル=に2回終了時、TKOで惨敗。試合後は引退の可能性まで示唆する衝撃の一日となった。

  ◇  ◇

 右目は完全にふさがり傷だらけとなったヒョードルの顔が、惨敗を何よりも物語っていた。

 らしくもない立ち上がりだった。強引なフックを振り回して打ち合いを挑んだが、HERO’Sや戦極で日本でもおなじみの怪物シウバを脅かすには至らず、強烈な右ストレートをアゴにもらう。グラウンドで上になり腕を取りにいくが、立たれて右フックを被弾。鼻血を出し、終盤にはテークダウンされる。

 2回開始早々タックルからテークダウンされると、巧みなポジショニングに支配され、無数のパウンドに耐えるのみに。3分前には肩固めで一本負けのピンチに陥り、終了間際にはヒザ十字固めに入られる。これはアキレスけん固めでカウンターしたが、アントニオ猪木や藤原喜明ばりに「効いていない」と人さし指を振られてしまった。

 インターバルでドクターチェックが入り、右目が完全にふさがったヒョードルに医師は試合をストップ。キャリア初の連敗、過去の敗戦時の出血アクシデントやミスによるものではなく、惨敗だった。

 シウバが涙ながらに「どこへ行ってもヒョードル、ヒョードルと言われる中での戦いだった」と明かしたように大本命と目されたGPで、まさかの初戦敗退。微笑したヒョードルは「距離感がつかめなかった。試合をマネジメントできなかった」と、敗因を語った。

 再起に失敗し「もしかすると、これでケージは最後になるかもしれない。もしかしたら戻って来るかもしれない。今後のことは神のみぞ知る」と、引退にまで言及したヒョードル。この日、格闘技の歴史が変わった。

(2011年2月13日)

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