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ツタンカーメン副葬品盗難 デモの混乱で

 エジプトのザヒ・ハワス文化財担当国務相は13日、カイロのエジプト考古学博物館から古代エジプトのファラオ、ツタンカーメン王の副葬品などが盗まれていたと発表した。AP通信によると、金箔(きんぱく)を施した木製のツタンカーメン像など収蔵品18点が不明になっている。先月からの反政府デモによる混乱で貴重な文化財が盗まれたことが分かったのは初めて。

 カイロ中心部のタハリール広場に面する同博物館は1月28日、大規模デモをきっかけとした暴徒の略奪を受けており、この際に盗まれた可能性がある。略奪では古代エジプトの王朝時代のミイラ2体の頭部などが壊され、約70点の小型工芸品が損傷した。

 盗まれたのは、片手に銛(もり)を持ち、いかだに乗る王をかたどった「銛を持つツタンカーメン像」の一部や、ツタンカーメンを担ぐ女神の像で、いずれも同王の代表的な副葬品。これらとは別に父であるアメンホテプ4世の石灰岩製の像や、11体の木像を組み合わせたものも盗まれた。

 博物館の屋根の窓からロープなどを使って侵入、盗んだとみられる。アメンホテプ4世の像も芸術性が非常に高く、重要な作品。

 黄金のマスクで知られるツタンカーメンは古代エジプト第18王朝の王で約3300年前に在位。墓は1922年、英考古学者カーターらが南部ルクソールの王家の谷で発見、盗掘を免れたきらびやかな副葬品の数々は世界中に衝撃を与えた。

 ハワス国務相は「遺物を持ち去った者たちの調査を始めている」と述べた。警察や軍の捜査も始まったという。地元ガイドの男性(33)は「『銛を持つツタンカーメン像』は日本人観光客にも人気がある。盗まれた品はないと思っていたので驚いた」と話している。(共同)

 [2011年2月14日8時56分]


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