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【プロ野球】

佑、実戦デビュー 3者凡退、元メジャーも斬った

2011年2月14日 紙面から

4回表に登板し、先頭打者の朴を三振に仕留めた日本ハム・斎藤=沖縄・名護市営球場で(武藤健一撮影)

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 新時代のプリンスが、ついにプロでデビューを果たした。日本ハム・斎藤佑樹投手=早大=が13日、韓国・サムスンとの練習試合の4回から2番手で実戦初登板。名護では球団史上最多となる5200人が見守る中、最初の打者・朴漢伊から空振り三振を奪うなど1イニングを3者凡退。元メジャーの大砲もキッチリ抑え、第一歩を華々しく飾った。斎藤は「やっとプロに入った実感がわいてきた」。感激の表情で初登板をかみしめた。

 わずか14球。しかし、斎藤には大きな価値を持つ14球だった。2月1日のキャンプインから13日。吉井投手コーチから「楽しみなはれ」と声をかけられた背番号「18」が、さっそうと名護のマウンドに登り、プロでの第一歩を踏み出した。

 スタンドからは「佑ちゃん頑張れ」の歓声や拍手、そして指笛も響いていた。そんな中、注目の初球は予告通り直球だった。朴漢伊のバットは動かない。ストライクだ。そして6球目、指に引っ掛かった直球にバットが空を切る。空振り三振でプロ初アウトを奪った。

 続く相手は、元メジャーリーガーのガーコ。インディアンスなどでメジャー通算55発、07年にはシーズン21本塁打を記録した大砲だ。そのガーコに投じた3球目、斎藤は大きな自信を感じた。鋭いキレの低め直球で芯を外し、ファウルチップに。「これがコンスタントにいけば、プロでやれる」。最終的にガーコを遊ゴロに仕留めると、4番のチェ・ヒョンウも二ゴロに。サムスン上位打線を堂々の“三人斬り”だ。

 「実戦で結果的に1イニングをゼロに抑えられてよかった。直球でいけるところまでと思ったが、その通りにできた」。ホッとした表情を隠しきれない斎藤。自己採点を聞かれると「60点くらいです」と控えめだった。それでも、こうも語った。「やっと、プロに入った実感がわいてきた」。キャンプで、いや入団前から大フィーバーのど真ん中にいた男が、ようやく、プロ生活のスタートをかみしめることができた。

 登板前、胸には不安があった。高校から注目を浴び続けたがプロでの実績はゼロ。体が大きく、ブンブンとバットを振っている相手。武者震いを感じていた。不安を消してくれたのはバックだ。堅守を誇る先輩たちが守ってくれていると思うと胸が熱くなった。「プロの選手が後ろを守ってくれていることが(学生時代と)一番違う」。野球を始めた時から憧れ続けたプロ野球の世界に自分がいる。このことを身をもって感じることができたのだ。

 周囲はデビュー戦に好評価だった。受けた鶴岡は「これまでのウチにはいないタイプ」。吉井投手コーチも「投げていたのはドラフト1位の球だった」と合格点を与えた。しかし、斎藤にはここで満足する気持ちはない。「少しは不安が消えた」と語る一方で、「ゴロはあと1メートルずれていたら安打だった。あれでよしとしない」と気を引き締めた。まだ、一歩目を刻んだばかり。成功への道を斎藤は一歩ずつ着実に進んでいく。 (川越亮太)

 

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