鳩山由紀夫前首相が普天間飛行場の県内移設について、在沖米海兵隊の「抑止力」を自ら「方便」と認め、官僚の抵抗に屈して県外移設を断念したことを明らかにしたことに対し、県内の関係者からは鳩山前首相や民主党に対する不信感が噴出。「抑止力」が虚構だと認めた鳩山発言に、多くが「発言に責任を持つべきだ」「県外移設を菅内閣に働き掛けて」と政権党の一員として主体的に行動するよう求めた。
ヘリ基地反対協議会の安次富浩代表委員は抑止力に関し「他県が受け入れないから沖縄になすり付けるための大義名分でしかないことがはっきりした」と怒りをあらわにした。見通しもなく「最低でも県外」と言ったことに「選挙対策だったと認めたことになり、政治家がそんなことを言ったらおしまいだ。本気になって官僚と向き合い、リーダーシップを発揮して党内をまとめれば解決したはずだ。民主党は何かあったら官僚や旧自民党政権のせいにして、恥ずかしいという認識がない」と批判した。
条件付きで移設を容認してきた辺野古区有志会代替施設安全協議会の許田正武共同代表は「県外、国外に移すならそれに越したことはない。反省しての発言なら一度地元に来てほしい。私たちがなぜ腹をくくって容認しているのか、地元にとって今何が必要なのか聞くべきだ。首相を辞めたら終わりではなく、国とのパイプ役を担ってほしい」と要望した。
昨年4月の県内移設反対県民大会で実行委の一員だった県子ども会育成連絡協議会の玉寄哲永会長は「妥協ばかりでは解決への道は見えない。県民は『政治主導』に期待したが実際は何ら戦略や戦術がなく、官僚のこだわりを前に努力もしなかったということだ」と鳩山前首相を一刀両断。
宜野湾市周辺に住む主婦らでつくる「カマドゥー小たちの集い」呼び掛け人の国政美恵さんは「官僚の思惑を覆せなかったことを正直に表に出し、『抑止力』が意味をなさないことをはっきりさせた」と発言を評価した。今後については「今回の発言に責任を持ち『最低でも県外』と発言した最初の感覚を大事にして、他県に普天間飛行場を引き受けさせるよう動くべきだ」と指摘した。
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