批判を覚悟して帰国した本田が感じたギャップの正体。
――確かに日本は盛り上がりすぎたのかもしれない。
「空港に着いたときに、あんなに祝福の雰囲気を作ってくれたのがびっくりで。オレが優勝だの、岡田さんがベスト4だの言っていたから、『結局ダメだったやんけ』という反応があると思っていた。もしかしたら叩かれるかなと覚悟して、帰ったわけですよ。そういう意味で、ギャップがあった」
――お祝いムードに水を差したくなかったから、TVに出なかったのかな?
「みなさんがやたら出演のオファーをくれただけで、いつもこんなもんですよ。こうやって質問されれば、オレがどんなにビッグになろうとしゃべる。人としてこのままで行くというのが、オレのスタイルですから。ただ、やなものは嫌だよ、という感じでね」
――確かに今、質問に答えてくれている。
「口で発することって、自分に通じている部分がある。何を言うかって非常に重要。オレはメディアにしゃべっていることって、自分に話しているということがほとんどやから。あとは公言的なところがあって、『言っちゃったよ』みたいな。自分は弱いからさ。当たり前だけど、人間やから」
「W杯のあとは、はっきり言って、みんな都合よすぎたから」
――ただし、しゃべらないということも、ある意味、自分に跳ね返ってくると思う。たとえば2006年W杯後、語らない選手が多かった。でも、そのときちゃんとメディアに出た遠藤保仁や中澤佑二は、4年後活躍した。自分の中に溜め込むのもよくないと思う。
「いや、ぜんぜん溜め込んでない。まったくしゃべらへんなんていうのは少しもなくて、オレから聞き出してくれということですよ。メディアもプロとして、オレが答えたくなるような、質問をしてくれということです。常にフィフティー・フィフティーでいたいんですよね。オレがプレゼントするんじゃ、そっちは高まらない。お互いがストレスを抱えているなんていうことは当然あるわけで、オレと監督の問題も、オレとメディアの関係もいっしょ。そっちの主張を言ってかまわへんし、オレは常にそっちに主張する。その感覚ができれば、日本のサッカーはもっと素晴らしいものになると思う」
――メディアも申請してダメでしたであきらめていたら、日本サッカーも強くならないと。
「間違いない。ようはオレは都合のいいのが嫌いで。W杯のあとは、はっきり言って、みんな都合よすぎたから。そういうところは人間性として大事にしている部分。カッコいい感じやなと思ったら、オレはしゃべるし。ダサいなと思うときにはしゃべらへんし。シンプルですよ。ヨメにも言われますもん。こんな扱いやすいやつはいないと」
約20分間の取材を終えた感想。
やはりこの男、ぶっ飛んでいる。
<次ページへ続く>
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