2010年12月16日 19時49分 更新:12月16日 21時13分
文部科学省は16日、小5と中2を対象とした10年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査(全国体力テスト)の結果を公表した。8種目(握力、五十メートル走、立ち幅とびなど)の合計点(公立)は小5、中2の男女とも福井県が1位。過去2回の調査と比較して点数、順位とも大きな変動はなく、文科省は「自治体や教育委員会による長年の取り組みの差」と分析する。
調査は08年度に始め3回目。これまで全員参加だったが、昨年の行政刷新会議の事業仕分けで予算縮減を求められたため、今回は抽出率を18.5%程度に設定。4~7月に小5、中2の各約21万人を対象に調査した。
小5は男女とも秋田県が3年連続2位。3位も男子は新潟県、女子は茨城県で昨年度と同じだった。中2の2位は男子が秋田県(昨年度2位)、女子が茨城県(同3位)、3位は男女とも千葉県(同4位と同2位)。小中とも上位は固定化している。福井県は毎年度、学校ごとに体力向上推進計画を立案するよう求めるなど、自治体を挙げての取り組みが浸透しているという。
一方で昨年度、各調査対象で44~47位だった北海道は今回も41~47位。41~45位だった大阪府は44~47位と順位を下げ、体力の二極分化が見られた。
今回調査では、子供のスポーツ活動に地域、家庭が関与する程度と、体力テストの結果との関係も調べた。「学校のスポーツ活動に地域の人材を活用しているか」の質問に、全国の63.4%の学校が「している」と回答。福井県は81.2%と平均値を大きく上回ったが、秋田県は56.8%にとどまり、北海道の57.1%も下回った。また「家族と運動をする回数」を「年に数回以下」と回答した全国平均は男子71.2%、女子73.6%だったのに対し、福井県は男子68.6%、女子74.6%、秋田県は69.4%、女子75.4%で、地域や家庭の関与と体力に明らかな相関関係は見られなかった。
調査を担当した浅見俊雄・東京大名誉教授(スポーツ科学)は「地域や家庭との連携が体力向上に寄与していないわけではなく、学校内での活動の影響が極めて大きいととらえるべきだ」と述べた。【篠原成行】
小5男子 小5女子 中2男子 中2女子
(1)福井58.30 福井59.96 福井45.94 福井52・99
(2)秋田57.21 秋田58.93 秋田45.65 茨城52.17
(3)新潟56.55 茨城58.46 千葉45.08 千葉52.16
… … … …
(45)奈良52.48 奈良52.51北海道39.20 大分45.36
(46)大阪52.42神奈川52.44 東京38.66 福岡44.87
(47)徳島52.15 大阪52.43 大阪38.38北海道43.44
平均 54.36 54.91 41.54 47.99