大林検事総長:年内辞任へ 郵便不正事件証拠改ざんで引責

2010年12月16日 15時0分 更新:12月17日 1時14分

大林宏検事総長=東京・霞が関の最高検察庁で2010年6月17日、塩入正夫撮影
大林宏検事総長=東京・霞が関の最高検察庁で2010年6月17日、塩入正夫撮影

 検察トップの大林宏検事総長(63)が年内にも辞任する意向を固めたことが分かった。任期を1年半残しているが、村木厚子・厚生労働省元局長の無罪が確定した郵便不正事件で捜査のあり方が問われ、同事件に絡む証拠改ざん・隠蔽(いんぺい)事件で大阪地検特捜部の元主任検事や前特捜部長らが逮捕されて検察の信頼が失墜。一連の事件を巡る最高検の検証結果が24日にも公表されるのに合わせ、体制を一新して出直す必要があると判断した模様だ。

 ◇異例の任期半ば

 検事総長が任期半ばに事実上の引責辞任をするのは極めて異例。総長の後任には、笠間治雄・東京高検検事長(62)らの名前が挙がっている。

 大林総長は6月に就任した。10月21日に大阪地検前特捜部長らを起訴した際の会見では、「失われた信頼を一刻も早く回復することが、私に課せられた責務であると考えている」と述べ、当面の間の続投を表明。「思い切った改革策を講じ、検察の在るべき姿を取り戻すべく、全力を尽くしたい」と述べていた。

 郵便不正事件で大阪地検特捜部が村木元局長を逮捕、起訴した際は、東京高検検事長で報告を受ける立場にいなかったため、法務・検察内部には辞任は不要との声もあった。しかし、検察関係者によると、大林総長は最近になって周辺に辞意を伝えたという。

 一連の事件では、大阪地検特捜部の元主任検事が証拠隠滅罪で起訴されたほか、元主任検事の犯罪を隠蔽したとして、前特捜部長と元特捜部副部長が犯人隠避罪で起訴され、いずれも懲戒免職処分となった。

 事件当時に大阪地検検事正だった福岡高検検事長や、後任の検事正ら3人の元上司も処分を受け退職している。

 大林総長は72年に検事任官、札幌高検検事長や東京高検検事長を務めた。

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