2010年12月16日 2時33分
政府は15日、国の出先機関改革の進め方を示すアクションプラン案をまとめた。地方自治体側が求めているハローワークの権限移譲は先送りし、当面は希望する自治体と国が協議しながら一体的に運営する仕組みを導入。3年程度の成果を検証したうえで「権限移譲について検討する」とした。16日の地域主権戦略会議(議長・菅直人首相)に提示するが、出先機関の「原則廃止」を打ち出した基本方針から後退する内容に地方側が反発するのは必至だ。
アクションプラン案では、ハローワークの無料職業紹介、雇用保険の事務と、地方が行っている職業能力開発や福祉に関する相談業務を「自治体の主導の下、運営協議会の設置などにより一体的に実施」するとした。ハローワークを巡っては、民主党の地域主権調査会が当初「窓口業務の地方移管」を目指したが、労組系議員らの反対を受けて見送り、厚生労働省の主張する「国と地方の一体運営」との後退した内容が党提言に盛り込まれた。政府案はこれに沿ったうえで、3年後の検討をうたっている。
国土交通省の地方整備局など出先機関全般の事務・権限については「出先機関単位で全ての事務・権限を移譲することを基本とする」と明記、複数の都道府県で構成する広域的な「ブロック」を受け皿とし、広域体制を整備する法案を12年の通常国会に提出、14年度中の移譲を目指す。一つの都道府県内で完結する事務・権限については、道路・河川は原則移管するとした。【笈田直樹】