2011年2月13日22時52分
一部が盗まれた、「もりをうち込むツタンカーメン王」の木像。金ぱくが施されている=エジプト考古省提供
盗まれた「女神に運ばれるツタンカーメン王」の木像。金ぱくが施されている=エジプト考古省提供
盗まれた、供物をささげるアメンホテプ4世(別名アクエンアテン)の像=エジプト考古省提供
【カイロ=古谷祐伸】エジプト考古省は13日、ムバラク前大統領退陣を求める民衆デモで起きた騒乱の最中に、カイロ中心部のエジプト考古学博物館から収蔵品18点が盗まれていたと発表した。中にはツタンカーメン王の像2点も含まれていたという。考古省は警察と協力して捜査を始めている。
主な盗難品は、博物館2階に展示されていた「女神に運ばれるツタンカーメン王の像」と、「もりをうち込むツタンカーメン王の像」の胴体と腕の部分。いずれの像も金ぱくが施された木製。多神教から一神教へ宗教改革を進めたことで知られるファラオ、アメンホテプ4世(別名アクエンアテン)が供物のトレーを捧げている石灰岩製の立像もなくなっていた。
治安当局とデモ隊の衝突が激化した1月28日夜、泥棒が博物館の天井の窓から内部に侵入した。考古省のザヒ・ハワス大臣は今月6日、収蔵品70点が傷つけられたものの、修復は可能だと発表していたが、盗難被害の有無については触れていなかった。
エジプト考古学博物館は、ツタンカーメン王の黄金のマスクなど10万点以上の収蔵品を誇り、ピラミッドと並ぶエジプト観光の目玉。民衆デモの拠点となったタハリール広場に隣接しており、騒乱の影響で閉館している。再開の日程は決まっていない。
中東に駐在し、日々、中東の動きに接する川上編集委員が、めまぐるしく移り変わる中東情勢の複雑な背景を解きほぐし、今後の展望を踏まえつつ解説します。エジプトからの緊急報告も。